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Posted by チェスト at

腹が立つこともあるのだ

2013年10月08日

今年は種から育てた青じそ。

こんなに巨大化してくれて、おかげで夏中お料理に大活躍だった。


そのシソも花をつけ始めた。そろそろ終わりかな。

冬になったら、またスーパーで買わないといけないなあ。。。

この夏も本当にありがとね。毎日おいしく頂きましたよ。
来夏もまた再生してかえってきてね。


ラナイ(バルコニー)からふと空を見上げると、こんな感じ。

陽の色がすっかり柔らかくなっている。

木々も紅をさし始めた。






車中のミラーにぶらさがってる、ちっちゃな子たち。
ぜんぶ姪っ子たちからのプレゼント。私が日本に帰る度に数が増える。


今回の新入りは、右端のクロネコちゃん。

夏休みに福岡の「スペースワールド」に行った時の、夫へのお土産だとか。
帰省したとき、姪っ子が私に手渡してくれたもの。







新学期が始まって3週目。
新しく103人の学生との出会いがあった。
年のせいか、なかなか名前が覚えられず
ようやく全員の顔と名前が一致してきたところだ。



さて、月曜の仕事を終えて帰宅。
ガレージに車を入れた時点では、
「家に入ったら、まずあれをして、それからこれをして。。。」と
その夜の「やることリスト」が頭の中を駆け巡っていた。


ただいま〜 とドアをあける。


「おかえり...」と出迎えてくれた、相方の

全身から放つエネルギーの、まあ何とも重いことよ。


「おやおや、どうした?」 


... 珍しいなあ



私: How was your day?

夫: Hmmm..... Not very good.




ご存知の方はご存知だと思うが、うちの夫は「ドラえもん」

いつも「ぽよよ〜〜んオーラ」満載で、とりわけ沈んでいる日や機嫌が悪い日はほとんど無い。
何があっても淡々と
右から左へ するる〜と流す人。



そんな相方から「あまり良い日じゃなかった」という言葉が出るということは
こりゃ、よっぽど何かあったな
ということで

「今夜のやることリスト」はとりあえず脇に保留

私: よっしゃ、寝る前にビール1杯つきあってよ

(この時点で夫の就寝時間30分まえ)



冷蔵庫からビールを2本取り出し、夫をカウチへ誘う。









"If I Knew It Would Be the Last Time"
(もしも最後だとわかっていたなら)


という本をご存知だろうか。



アメリカなら、カードショップへ行けば大抵のところには置いてあるメッセージ本だ。
日本でも翻訳されていると聞いている。


もしもこれが、あなたと過ごせる最後の時間だと知っていたなら
私はもっと時間をかけて、あなたの目をみつめ、あなたの手を握り
あなたの話に耳を傾け
あなたをどんなに大切に思っているかを、言葉を尽くして伝えただろう



という内容の本だ。




私はこのメッセージ本を、まだハワイに居たころに購入した。

でも、それを意識して実践できるようになったのは
つい最近のことだ。


この本の言わんとしてることは痛い程分かるのだが
分かっていながら、普段はそれが頭からポーンと抜けてしまっていることのほうが多い。



今日はそれを敢えて思い出して意識できた

珍しくもラッキーな日だった。





ビール片手に、夫のとなりに座り

彼の言わんとすることに黙って耳を傾ける。






話を聞いてみると、、、



今日職場で、一日の業務が成り立たないかもしれないほどの大ハプニングがあり
同僚たちがパニクっているあいだ
その場の管轄を担当していた夫は、状況修復に走り回り

その間、苛立った同僚たちの攻撃的な言葉を浴び

中でも10年来の知り合いである
ある同僚からの心ない一言に一瞬キレかかったとか。


それでも何とか平静を保ち、「待ったナシ」の仕事をそのまま続行したそうな。




私は知り合ってこのかた、夫がキレるところ実は未だ見たことがない。

夫に言わせると42年の生涯で、今まで自分がキレた相手はたった3人だけ:
(1)お姉さん (2)前の奥さん (3)マイケル
だそうだ。


私の知るぽよよん相方からは想像もできないのだが、
キレると恐ろしく怖いらしい。(マイケル談)
もし可能ならば、そうした面を見る必要なく無事に今生を終えたいものである。




話は逸れたが...




同僚が自分のフラストレーションを夫に対して投げつけてきたのは

私が想像するに、
おそらく夫のキャラのせいだろう。

何を言っても一番安全なやつだと判断されたに違いない。(その気持ちはよくわかる)



アメリカ人の基準だと、

彼のようなタイプはなめられ易いというか
いつも貧乏くじをひいて
不利な立場にある弱いタイプだと判断されやすい。


日本人である私の基準から見ると


多くの人間が発するネガティブなエネルギーを一身に受け
それでも逆ギレして相手を攻撃するでもなく
黙って受け止め、状況回復をまず最優先として仕事を続行し
すべてを内に秘めて家に帰ってきた。

飲まず食わず、トイレに行く時間もなく
混乱のなかを12時間働いて帰ってきた。


あんたはあっぱれだ。


その場にいた誰よりも、強い人間だと尊敬する。



私: Wow... that's amazing. You did a wonderful job!!


と言った瞬間、

青白かった相方の顔に、ピンク色の生気が戻ってくるのが見て取れた。



私はこのためにこそ存在するのである。







"If I Knew It Would Be the Last Time" (もしこれが最後だと分かっていたなら) ...


今日は思い出せて、よかったなあ。









。。。と、話は実はここで終わらない





夫は朝10時ごろ仕事から帰宅して、シャワーを浴び
ひととおり落ち着いて頭を冷やした後

その暴言を吐いた10年来の同僚に、ちゃんとメッセージを送っていたのである。


I understand that you were frustrated this morning. Everybody was.
But I appreciate if you would never use the tone and language that you used to me from now on.





それは
私が普段あまり見ることのない夫の一面で

感情的なトーンぬきで、それはそれは見事に理路整然と
淡々と

相手に対して「こうこう、こうであることを望みます。これからも良き同僚としてお互い気持ちよく仕事をしてゆくために」と
己の意見と要望を、きちんと言葉にして綴ってあった。

その相手からは、彼がメールを送った10分後には
真摯な謝罪の返信が届いていた。



こういうところは。。。



アメリカ人だなあ〜〜と思う。  えーっと・・・







人間は さまざまな面を内側に秘めている。


相手との相性や化学反応によって


己の最悪の部分
または、最高の部分が引き出されることもある。



私たちは夫婦なのでもちろんケンカは人並みにするが



ふだんは穏やかな夫を

「恐ろしく」豹変させるほど怒らせたり、

傷つけたり

悲しませたりは

出来ればしたくないものである。



出来ることなら
相棒の、最高の部分を引き出せる自分でありたいと

そう願うものである。










  
Posted by レニア at 14:14Comments(12)夫婦

大恋愛、その18年後

2013年06月22日

こちらの記事は、「シアトル日記」新サイトに移しました。







  
Posted by レニア at 16:02Comments(6)夫婦

夫の言葉

2013年05月30日

今日は夫の誕生日だった。





といっても、私は夜まで仕事の日だったので
夕食を共にすることも出来なかった。

今日夫と過ごした時間は
夜のクラスの前に、顔を見るために自宅に立ち寄った一時間だけ。


そのクラスからようやく帰宅したのが8時半ごろ。
昨夜から少し体調の芳しくなかった彼はすでにベッドに入っていた。
寝室にそろりと入って様子をみたが、熱があるふうでも汗をかいてるふうでもなかったので
ぐっすり眠っているのを起こさないように、そっと部屋を出た。


ねこだけが、にゃぁ〜。。。と言ってついてきた。




今夜も仕事がたんまりある。
まずはデスクのパソコンをつけ、、、

真夜中までに終わるといいがなあ〜 なんて思いながら

鞄の中身をゴソゴソ取り出しながら

Facebookをのぞいたら、夫のページにこんな言葉を見つけた。




"Happy Birthday!!" と残してくれた友人たちに向けて
書いたものらしかった。




なんだろう、読んでいて...

残しておきたいと思う言葉たちだった



でも日記をつけてないので、勝手ながらここに残させてもらうことにした。




Thank you everyone for the wonderful birthday wishes.

みんな、あったかいお誕生日のメッセージどうもありがとう。

Today was a nice day, both Yuko and I worked, and I was not feeling good, but still a nice day. We celebrated on Sunday and had a nice day then.

今日はいい日でした。妻も僕も普通に仕事の一日だったけど、実は体調もイマイチだったけど、それでもいい日だった。
誕生日祝いはこの前の日曜日にやってもらって、その時も良い一日を過ごした。


42 years ago my parents brought me into this world and raised me the best they could. I thank them daily for doing so. They are not here anymore, but I know they still watch over me, and I hope I do not disappoint them. I know I haven't always tried my best, but I've tried to live a good moral life the way they would have wanted me to do.

42年まえの今日、僕の両親はこの世に僕を迎え入れ、そしてその時に出来るベストの限りを尽くして僕を育ててくれた。
そのことに感謝しない日は一日たりとも無い。
もうこの世にはいない二人だけれど、今でも僕のことを見ていてくれてると思う。
ガッカリさせないようにしなきゃと思う。

「今まで常にベストを尽くして生きてきました」なんて言えないけれど
でも最低限
父と母が僕に望んだであろう、まっとうな生き方だけはしてきたつもりだ。


Thank you mom and dad, I appreciate and love you both.

父さん、母さん、ありがとう。
感謝してるよ。そして愛してます。








私の知ってる夫は、出会ったその日からすでにマイケルの父親だった。

父親としての苦労
父親としての感情
父親としての気持ち

夫の「父親としての部分」をそばにいて感じたりすることは 
何度となくあった。

だが
夫の「息子としての部分」は、普段ほとんど垣間見る事がない。

彼は私が鹿児島の親とやり取りしているのを何度も何度も見ているが
私は彼が自分の親とやりとりしている場面を、全くと言っていいほど見たことがないのだ。
(お義父さんには亡くなる前にたった一度だけお会いしたことがある)


そんなことに、何だか突然気がついた。

夫の言葉を読んでいて。







つき合い始めたばかりの頃は、相手に関して知らないことだらけだったので

「あれ?この人...」


発見してキラリ印象深かった瞬間が、いくつもいくつもあった。

結婚して夫婦になり、身内となってからは
馴染んでゆくごとに
そうしたキラリ光る瞬間はどんどん減っていった。



なんだか今夜は、その「発見」の瞬間を
久しぶりに味わった感触。。。





この人のことは、きっと一生かかっても100%は分かってあげられない。
今でもそう思う。

でも今日は、わかったことが一つ増えたかもしれない。

(それが何なのかは分からないのだけど、そんな気がする感じ?)




そして、父親として苦労を重ねてきたこの人も

かつては親に守られ、慈しまれた「子供」だったのだと

何の心配もせず、ただ屈託なく笑っていた男の子だったのだということを


忘れないでいようと思った。



上にいるお父さんとお母さんからのプレゼントだったかな、もしかして?



お誕生日おめでとう。




  
Posted by レニア at 16:47Comments(4)夫婦

ケンカってよくない

2013年04月19日

「ケンカってよくない。
赤ちゃんもきっと苦しかったことでしょう。
可哀想に、、、ごめんね。」



まだこの世に産まれてもいない私に向かって
母がかけてくれた最初の優しい言葉がこれだった。



妊娠期間、仕事帰りに父と待ち合わせて映画を見にいった。
でもその帰り道、ひょんなことからケンカになった。
妊婦の母を気遣っていつもは布団を敷いてくれる父も
その夜はさっさと寝てしまったとのこと。
母はその夜、ひとり日記をづつりながら
涙が溢れて止まらなかったらしく
おなかにいる私に向かって「ごめんね、苦しかったことでしょう」と謝った。


若い妊婦であった母が、綴っていた日記。
その赤茶けた大学ノートを
私が日本を離れた20年近く前に、持たせてくれた。

自分のその後の人生で、「もうここまでだ」と全てを投げ出してしまいそうになった瞬間に
そのノートには何度救われたかしれない。


「ケンカってよくない」


母の日記にあったその一行は

とりわけ、何故だかいつも心にある。




以前のブログにも書いた記憶があるが

私は夫婦ゲンカに勝ったことがない。




負けるが勝ち

いつも「謝ろう」の気持ちを私が実践するまえに
夫が先に謝ってくれるからだ。



久々に夫婦げんかをした。


原因は、今振り返って考えると
「アホか」と自分でも情けなくなるような、些細なことだった。


当然
ケンカの本当の理由は、そこにあったわけでない。

ただ自分に余裕が無くなっていただけ。



「ケンカは自分が甘えたい人。自分の理解を教えたい人」

...っていう歌、ありましたよね。
(そういえば華原朋美さんって、薬物中毒を乗り越えて歌手としてカムバックしたそうですね)


私のはまさしくその典型的な例。相手に対して甘えが出るとケンカになる。


この数ヶ月、自分の忍耐やら許容量やらを試される事象が続いたので

そのストレスの矛先が
完全に気持ちを許している夫に向かったものと思われる。

どーん!!!と爆発してから

心のどこかで「あ〜、またやっちゃったよ、やっちゃったよ...」と内心焦っているのに

故郷、鹿児島の桜島のごとく
熱くモクモクと、噴煙が立ち上っている間は
なかなか気持ちがおさまらず、どうにも「ごめんなさい」が出てこない。

そうこうしているうちに、相手が先に

「ごめんね」と謝ってくる。

そうして毎度、夫婦ゲンカには負けているのである。




ケンカって、よくない。

ケンカの本当の理由が、「そこ」には無い場合は、もっとよくない。


そして、「ごめんね」が先に言えないのは、非常によくない。。。


でも、人間の器の大きさ(小ささ)は、なかなか変えられないものだ。
夫は明らかに
私よりもずっと、人間が大きいのである。

実年齢は私のほうが上なのだが
そんなことは、人間の成熟度とは全く関係ないのである。(と実感する日々だ)






「妻の祈り」のおかげで
見知らぬ多くの方が、このブログを読んで下さるようになり
中には「レニアさんのブログのお陰で救われました」とメッセージを送って下さる方までいた。

そう言ってもらえたことは、純粋にとっても嬉しかったし光栄だった。


でも、そう言ってもらっている当の私は
一番大切な人に、速攻で「ごめんなさい」も言えないレベルの人間で

何だか非常に情けないし申し訳ない。




夫婦であって

時には衝突することのほうが当たり前であると思うし
健康的だとは思うが

ごめんなさい、は
素直に言えたほうがいい。
できれば先に言えたほうがいい。



いつの日か、夫婦ゲンカに勝ちたいものである。




皆さんは大切なパートナー(または家族)と衝突が生じた際

どのように対処されているだろうか。






  
Posted by レニア at 16:27Comments(6)夫婦

いたわり

2013年03月04日

僕は怒っているんだ

と夫が言った。

私にはその言葉が

「僕は悲しいんだ」に聞こえた。




我が家のすぐ隣には Botanical Gardenがある。

マンションの敷地内から直接出入りできるゲートがあり


そこをくぐり歩みを進めてゆくと
山奥のハイキングコースに迷い込んだかと思うような景色になる。


日曜の午後、ここを夫と二人で少し散歩した。




まだまだ風は冷たかったけれど
芽吹いてきた木々を見ると、春が確実に近づいてきているのを感じた。


子供の話しをしたのは しばらくぶりだった。
ここ数日息子のことはお互い敢えて口にしないようにしていた気がする。
私は夫をつらくさせてしまうだろうと危惧し
夫は私が悲しい気持ちを思い出すだろうと思っていたらしい。

マイナスイオンいっぱいのこの森の中を二人で歩いているときに、ふと
ヒザは大丈夫かな?と思って、私が

「大丈夫?」

と聞いた。

夫の返答は冒頭の

「僕は怒っているんだよ」


その言い方が「怒っている」という形容とは程遠い
あまりにも穏やかな言い方だったので
0.1秒ぐらいきょとんとした

そして
ああ、この人は傷ついているんだなと感じた。




男の人は気持ちを言葉にするのがヘタだ。

女性は思いを言語化し、それを共有することで
お互いを励ましたり慰めたり
ただ聞いてもらうことで安心感を得たりするものだが

男性は必ずしも心の内にあるものを
人と共有しようとは試みない気がする。

今回も息子のことでダメージを受けたのは私より
むしろ幼い頃からあの子を育ててきた夫だと思うのだが
本人はというと相変わらず朝からとんちんかんな歌を歌い
ぽよよんドラえもんオーラ満載で、普段と変わらない様子を保っていた。

私があまりにも参っていたので...

cheer upしようと思ってくれていたらしい。

私はそんな夫を見ていて
もう割り切れてしまえたのかなと感じたことも。

人の心に本当にあるものなんて
こうして夫婦であっても、分からなかったりするものだ。


自分のことさえ100%理解できなかったりするのに
ましてや他人を完全に理解することなんて
それは相手が大切な友達であっても、兄弟であっても、伴侶であっても、子供であっても
不可能だと感じる。

でも、たぶん完全に理解するよりも大切なことは
おそらくその人を
いたわる気持ち、愛する気持ち、信じる気持ち
なのかな?





「怒っているんだよ」と言われ

「そう...怒っているんだね」と答えた。

夫は何に怒っているのか、どういう気持ちでいたのかを私に少しだけ話した後

最後に

「But I am ok」と言った。


その後は

「空がきれいだね」とか
「この花、何だろうね?」とか言いながら、1時間近く歩いただろうか。

日が傾いてきたので

「そろそろ家帰って、ビールでも飲むか」となった。



相棒よ。
私はあなたのことは100%分かってあげられない(と思う)。
あなたもたぶん私のことは100%分からないと思う。

でもこうして並んで
いっしょに

これからも歩いて行こうよ。




  
Posted by レニア at 17:20Comments(2)夫婦

元妻の夢?

2012年09月24日

へんな夢見たなあ。。。


日曜の朝のベッドの中、夫がつぶやいた。

まだ半分寝ぼけていた私。
「何の夢見たの?」と目を閉じたまま聞いたら
元妻の夢だと言う。

夢の中ではさ、俺まだCと夫婦なんだ。
最悪の結婚生活で、悲しく暗〜い気持ちで日々を過ごしているんだけど
なぜか結婚生活を続けている。

マイケルもいて、でも4歳じゃなくて今の年齢でさ
「親父、もういいかげんにしろよ。離婚しろよ」って俺に向かって言うんだ。。。



その言葉を聞いて、夫のほうを見た。

仰向けになった夫の、ちょうど胸の上に
ココが気持ちよさそうに横たわり、ゴロゴロ喉をならしている。
彼はそんなココを左手でやさしく撫でていた。

キキは私の足もとで寝ていた。

私:あなたは今のあなただった?
夫:うん、今の年齢だったと思う。
私:奥さんは?
夫:最後に顔を見たときのあいつ、、、かなあ。


夫は天井を見上げたまま、そう続ける。

横顔から感じ取れる印象だと、顔をしかめているわけでもないが

Are you ok?

と思わず聞いてみた。

うん、全然だいじょうぶ。ただ妙な夢だったなあ〜と思って、

と夫。



ハワイから戻った翌日にお医者さまとのアポがあったが
夫は今回も仕事復帰を認められなかった。
次は10月半ばに来てくださいとのこと。

ケガをしてから休職扱いになり、もう4ヶ月になる。

すっかり日常生活には何の支障もないほど回復した夫だが、彼の仕事はそれだけ体への負担が大きいということなのだろう。
お医者さまのいいつけどおり、定期的にフィジカルセラピーに通う日々だ。


もともと家にいるのが好きな人なので、退屈した様子もなく
毎日あれやこれやとしながら過ごしているようだが、、、

普段は夢を見てもほとんど覚えてない人なのに珍しいことだったので、しかも内容が内容だったのでちょっと気になった。



夫の元妻には、会ったことがない。
マイケルの実母なので、私はステップマザーとして本来なら彼女とマイケルのことに関して色々とコミュニケーションを取らなければならなかったところだが、全くの音信不通になって久しいので、夫もマイケルもここ10年ぐらい会っていないそうだ。
どこにいるのかも分からないし、会う気もないという。


私も相方も、ある程度の年齢になってから一緒になったので
お互いそれなりに過去がある。

普通はカップルの間でそういう昔のあれこれは、
伏せておくのが常だと思う。

私も初めはそう思って、夫とつき合うようになって最初のころは自分の昔の事はあまり話さなかった。

でも、例えば思い出話をしている時に
あえて「その部分」を避けて話をしていて、何だか不自然?になったことが何度かあって

そのたびに夫に

別に隠さなくていいよ。俺そういうの気にならない人だから。

と言われた。

えー、そんなことはないでしょうと初めは思っていたが
本当に気にならないよう。。。だって

彼は自分の昔のことも、何でも話すから。

おそるべし、ぽよよんドラえもん(笑


逆に私はそんなに器の大きい人間ではないので、
いや〜そこまで話してくれなくていいわという時は
きちんと相手にそうお伝えしたが。



アメリカ人とはそういうものか?と思って友人に話すと
いや、それは普通じゃないでしょうと言われる。

アメリカ人日本人という話じゃなくて、夫が単にそういう人間なのだろう。
本人曰く「過去もぜんぶひっくるめて君だから」なのだそう。

でもそんな夫と日々暮らしているうちに、私も感化されたのか
過去のことを話したり聞いたり
その時、自分がどういう思いだったかを伝えたり
その時、相手がどういう思いだったかを聞いたりすることが
次第に当たり前になってきた。

今朝も、元妻の夢を見たと聞いて
えー、前の奥さんの夢〜?どういうこと〜?
と複雑な気持ちになったというよりは

「何か無意識下に、悩みごとでも抱えてるのかな?」 と純粋に心配になった。


というのも
私自身、仕事のストレスが溜まったり何か追いつめられた心理状態のときに

昔、自分を悲しい思いにさせた人の夢をよく見るからだ。




明日からとうとう新学期。

お天気の日曜だったというのに、何が悲しいかな
一日中デスクで仕事しっぱなしで、私のほうがずっとストレスいっぱいだと思うんだけど

パワーストーンの効力か?

えーん、仕事が終わらなーい!!と口では文句言いながら
心はなんだかウキウキしている。


午後には、リビングから

「行けー!!そこだー!!」と

TVのフットボール中継に向かっておたけんでる相方の声も聞こえた。


ので、ま、大丈夫だろう。


なんつったって、無敵のぽよよんドラえもんだから。




  
Posted by レニア at 15:50Comments(2)夫婦

男の気持ち

2012年08月01日

I have a little surprise for you when you get home.


仕事を終え、さて帰ろうかね〜と
携帯をチェックした時に見つけた、夫からのメッセージ。


前回の「サプライズ」は ケガをした時だったので


I hope it's a good one this time!

と冗談まじりで返信したら


It depends on how you feel. I am fairly happy with it.
それは君がどう感じるかによるけど。。。僕は結構気に入ってるよ

と、ニコちゃんマークにっこり 付きで返事がきた。



懸賞にでも当たったのかな? なんて
ノー天気なこと考えながら我が家に向かって車を走らせた。


ただいま〜


と、ドアを開けたら

こちらに背中を向けて、ダイニングルームに立っている
いかつい男性の姿が目に入った。


え、お客さん??




......


と思った相手は、

自分の夫だった。




大げさでも何でもなくて、真面目に0.5秒ぐらい
夫だと認識できなかったのだ。


だって




こんな頭になっていたんだもの。





「何、どうしたの!? 髪切りに行ったの?」


てか

一人で出かけたの???



あまりのオドロキに、荷物もおろせず玄関口に立ち尽くす私に


夫: うん、今日はかなり痛みがおさまったから 2ヶ月ぶりに運転してみた。 



。。。と笑顔の夫


おーいおいおい...  げんなり





日本語でなんて言うんですか、これ。
スポーツカット?

英語では military cut (軍人さんカット) でしょうか。



知り合って以来、夫がここまで短髪にするのを見るのは初めてだ。

というより、本人が
今までの人生で これほど短くしたことは無かったらしい。


It's time for a change.


と 彼は言った。






手術から10日。

昨日は初めての術後検診だった。

術後の経過は順調だ。
松葉杖に頼りながらも、立ち上がるのがやっとだった人が
いまではびっこをひきながら 松葉杖なしで歩けるようになった。

でも、ドクターによると仕事に復帰する許可はまだおろせないとのこと。

次の検診は9月13日。
その日から Physical Therapyを始めるのだそう。

つまりそれまでは、休職期間が続くということだ。まだ1ヶ月以上も先のことだ。



最近「髪が伸びたなあ〜、伸び過ぎだ。切りたいなあ〜」と 盛んに言っていた夫。


夫は、自分の髪が好きではない。


「固くてガンコで、扱いにくい!!」と いつも文句を言っている。


固いだあ? 
それを、東洋人の、しかもゴワゴワくせ毛の私を目の前にして 言うかい。
なーにを贅沢な。

私から見ると、夫の髪は茶色で柔らかくて、子供のようにふわふわだ。





でもその「ふわふわ」を、

バッサリ切っちゃったのね。




私は、自分が人生の大きな転換期を迎えたとき
やたらと髪が切りたくなって、いつも「バッサリ!!」やってたほうなのだけど


そういう気持ちって男性も同じなのかな。




男の気持ちは

100%理解してあげられないけれど


Time for a change! と言いたくなる 切り替えの気持ちは

共感できるな。。。




ここまで短いと、白髪も全く目立たないし (笑)


でも、ホントに雰囲気がガラリと変わってしまったので

慣れるのにちょっと時間がかかりそうです。えーっと・・・













  
Posted by レニア at 14:17Comments(2)夫婦

手術

2012年07月19日

夫がケガをしてから、一ヶ月。

本日やっと 手術とあいなった。



授業を教え終えてから駆け足で帰宅し、病院へ連れて行く。


夫はお医者さまの言いつけ通り、昨夜から何も食せず断食状態。
チェックインした時点で、午後3時だったが
お腹が空き過ぎて、フラフラしてるようだった。

2人で待合室にいたら、すぐに看護師さんが呼びに来て
彼は手術室へ。


私は仕事がわんさかある日だったので、仕事をするつもりで色々持ち込んで
採点などしながら待っていた。






今回何が納得いかなかったかって
この国の労災保険制度だ。

夫の場合は職場でのケガだったので、検査費、医療費全てを「Labor & Industries (L & I)」がカバーしてくれるのはありがたかった。

だが、

全てのことにあまりに時間がかかりすぎた。


今回を例にとると、夫のケガが判明してからMRIをとってもらうまで5日待たされ、
その後ドクターが検査結果を説明してくれるまで、また5日
それから「L & I」が手術を認めるという許可をおろしてくれるまで、なんと2週間(!)
その許可が下りてから手術のスケジュールが決まるまで1週間。。。

と結果、1ヶ月も待たされることになった。


そのかん、夫は歩くこともままならず
ケガのストレスからだろう、持病の「痛風」まで暴れ出し

「痛み止めはくせになるから、飲みたくない」と最初は頑張っていた彼も、痛風の痛みには太刀打ち出来ず、痛み止めに頼らざるを得ない生活が続いた。

それもいつも効果があったわけではない。

「今日はいつもよりちょっと言葉少なで、難しい顔してるなあ〜...」という日は
よほど痛いのを我慢してたんだと思う。
私が言うのもなんだが、夫は本当に痛みに対して我慢づよい。
私だったら始終不機嫌な顔をして、あたり散らしていたかもしれない。






さて、手術自体はそれほど時間はかからず、
1時間半ほどしてドクターが私のところにやってきた。
「手術はうまくいきましたよ」とのこと。


夫に会いに行くと
手術中、麻酔で眠っていた彼はまだぽ〜っとしている様子だった。






トロン。。。とした目で私を見て、いつもよりかすれた声で

「 Hi Honey... 」

と言った夫の顔を見たときに、すこし胸がジンとした。


一ヶ月もよくがんばったよ。
相棒よ、ホントにお疲れさん。


これでやっとこさ、回復に向かっていけるだろう。



早く前みたいに歩けるようになるといいね。



  
Posted by レニア at 13:15Comments(2)夫婦

あうん

2012年06月15日

「アメリカ人の旦那は "あうん" というものを知らない。

私の顔を見て察しろよなあ〜って思う。それが原因で
ケンカになることもしばしば。。。

日本人のように、黙っていても分かり合える夫婦って
あり得ないんだろうなあ〜。」


友達がFacebookでつぶやいていた。


それに返した彼女の友人のコメントに

「そもそも、そういう男はいないな。日本人でも。。。」

というのがあって

思わず、ふふふ...




人種の違いなのかな。
一緒にいる時間の長さによるのかな。


いずれにしても 憧れるな〜「あうん」



うちはまだまだだな。

先日のケガにせよ、私のほうが鈍感で
「言ってくれなきゃ分かんないよ!」なんて言ってるレベルだし。。。


ものすごく短気で、すぐ手がとんでくるような父親に育てられた私は
人の気分とか性格などを
即座に察知するのは小さい頃からわりと得意なほうだと自負していた

大人になってから、特に仕事ではそれが非常に役立った

学生ひとりひとりが私に求めてくるもの
その子のその日の元気度
キャラなどが
自然と感じ取れる


...が

この同じことが 

旦那相手となると。。。なかなか。。。(^^;)



甘えがあるからでしょうね。




「あうん」の境地に辿りついたカップルのみなさん

やはり、いっしょにいる時間の成せる業でしょうか。

それともパートナーの性格によるもの?




夫は MRIも撮り終わり
明日にはその結果が分かる予定

おそらく手術になるでしょう


「強い薬で クセになるから」と
痛み止めもほとんど飲まず、日々痛みに耐えてる状態

でも、He is staying in good spirit

良い意味でへらへらしている相方


そんな相方を見てると

私も心配事にグルグル打ちのめされないで
へらへらしていよ〜と思う


このあたりから

未来の「あうん」への道が始まるのかも?





  
Posted by レニア at 14:51Comments(4)夫婦

また、ケガ

2012年06月13日

Can you just come up with your stuff when you get home, please?

一日の仕事が終わって車に乗り込み

さて帰ろうかね〜

夫に「かえるコール」ならぬ「かえるメール」を送ろうと携帯を取り出すと
そこにあった彼からのこのメッセージ

いつもカバンにリュック、3つも4つも抱えて仕事にゆく私
家にたどり着くころ、夫が駐車場までそんな私を迎えに出てきてくれるのが
いつの頃からか日常の1コマになっていた。

でもこの日
「そのまま上がってきてくれる?」という夫

いや〜〜〜な予感...


私:Are you ok? Are you sick?

夫:No, I'm not.

私:Oh No... you are hurt.

夫:I didn't have any accident. Please do not worry and drive safely, please.


「帰ったらちゃんと話すから心配しないで」

て言われて心配しないやつがどこにいる。



そんな日に限って、
高速はえらい渋滞...

悪い妄想がモクモクとふくらむ

心配したって事情がわかるまではどうしようもないのに
私の悪いところだ

家にたどり着くまで1時間ちかくかかって
ようやく帰宅


玄関を開けて
「ただいま」も言わずまず口をついて出た言葉は


どうしたの!?


「おかえり〜...」とホールの奥からあらわれた夫は


松葉杖ついてるし〜〜!!



唖然とする私



夫:頼むからパニクらないで

私:また落ちたの??

  (なぜ「また」なのでしょう。はい、詳しくはこちら

夫:いや、アクシデントじゃないよ。実は先週の土曜に。。。

私:先週の土曜???



(この時点で) 5日も前じゃんよ〜〜!!




夫「いや〜、仕事してる時一瞬ヒザで何かがパンッ!と弾けた感じがして、あれ?って思ったんだけど、まあ放っておけばそのうち痛みもなくなるだろうと思って...」



ガーン ガーン  ガーン ガーン ガーン



これが土曜日から5日たった、木曜のこと。


この日とうとう痛みが耐えきれないほど酷くなって
(それでもこの日の仕事は最後までやって)
それからやっとドクターに行ったらしい。




「心配かけたくなかったんだ」という気持ちはわかる。
その思いやりはありがたいと思う。

いくら夫が痛みを顔に出さない人だとしても
いっしょに暮らしてて5日間も気づかなかった私も大バカだ。

でも

うちらはチームだ。
殊の外、体に関するこういう大事なことは


きちんと言ってもらわなきゃ困ります!!


ショックもあって、この夜はちょっとキレました...げんなり



夫は仕事ももちろんばらく休職。

明日にはMRIをとることになってるので、その結果次第では手術になるかもとのこと。



おいおいお〜い...うるうる うるうる うるうる 



思えば
去年ケガしたのもちょうど6月だった


私はちょうど学年度末で、仕事も大詰めの時期。

とくに今はマイケルが家にいないので
ろくに動けない夫をたったひとり家に残して仕事に行くのが
ものすごく心もとない



「でも昔、ろっ骨を折ったときは
マイケルはまだ車の運転も家事もほとんどできなくて何も頼めなかったし
その頃に比べると、今回はひとりじゃないから全然気持ちがラクだよ」



そういう彼の言葉を聞くと
ああこの人がいま一人じゃなくてよかったとは思うけど...



相方がいるということは
ハッピーも倍増

でも、心配事も痛みも倍層ですな

とほほ〜












  
Posted by レニア at 15:24Comments(0)夫婦

妻の祈り、を読んで。。。

2012年06月05日




こちらの記事は、「シアトル日記」新サイトに移しました。

















  
Posted by レニア at 17:03Comments(4)夫婦

恋に落ちる

2012年04月20日

さて、生まれた日に際して
母への感謝の気持ちを書きましたが

今、毎日を共にしていて

「私って、生きてるんだなあ〜」とつくづく感じさせられるのは
夫の存在でしょうか。

ん〜、夫との今の生活と言ったほうがいいかな。
(頭をひねるような、いろんな課題が次から次へとふりかかってくるので)




その夫からは、誕生日に際して2つの心に残る贈り物をいただきました。

ひとつめは、誕生日カードにあった
この言葉。

Real love isn't found in the falling.
It's found in the staying.



日本語に訳すのが、ちょっと難しいですが。。。




日本語では「恋におちる」といいますが、
英語にも似た表現で「Fall in love」というのがありますね。



夫がくれたカードにあった、この言葉は

本当の愛というのは、
落ちた (falling) ところにあるのではない。
とどまって (staying) こそ、初めて手に入れられるもの


みたいな感じでしょうか。


この2文のところで、しばらく目が止まってしまいました。


若いころでしたら、サラサラ読み流したでしょうが
今の自分にはズシリとその言葉の重みが感じられます。


私へのカードを探して、カードショップで何枚も何枚も読んだそうですが
これが、自分の言いたいことを
最も的確に表していたとか。


夫は、まだお付き合いしていた頃に

結婚は仕事だよ

と言った人でした。


へえ〜、そうなの。仕事なの。

と返した私に


うん、自分はそう思う。すごーく大変な仕事。
でもその大変な仕事を、本当に好きな人と一緒にすると
楽しい仕事にもなる。



と言った人でした。



見かけはドラえもんみたいな、夫です。

でもこの言葉を聞いたとき

あれ? この人・・・


と強く心に何かを感じたのを、今でも覚えています。



彼のことばは、全くその通りで

結婚は

大変な仕事

でした。


難しいな。。。と思うことしばしば。

それでも、そこに「とどまる」決心を
日々すること。
そんな毎日の積み重ねが、結婚のような気がします。


恋に落ちる...という甘美な響きとは
程遠いところにある。

「愛」には、落ちてなんかいられません。(生活していけません 笑)

しっかり地に足をつけて
五感を働かせ、きちんと目を覚まして、物事を見極めて
すっころんでも経験から学んで、
気持ちは落ちこんだ場所にとどまらないこと


投げ出さず、ここに居続けること。

それだけで精一杯。
でもそれを続けるだけで、スゴいことのような。。。

そんな気がします。



始めるのは、カンタン。
終えるのも、カンタン。

でも持続させるのは?



私は、10年まえに一緒に居た人と
今いっしょにいません。

恋とはそれだけ儚いものです。

今はしっかり愛を紡いでいける人間になっていられればと思います。

みなさんの目の前にいる人は、10年まえも一緒に居た人ですか?
20年まえも?
30年まえも?

だとしたら、本当に羨ましい。
そして心から「すばらしい!」



いつか私も、その場所に辿り着きたいな。

シワシワのばあちゃんになったとき
夫と戦友みたいになっていたいな。


  
Posted by レニア at 14:25Comments(2)夫婦

バレンタインの日の思い

2012年02月16日

バレンタインデーの火曜日、シアトルは小雨の降る肌寒い日。

ダウンタウンを運転してたら信号待ちになった。

目の前の横断歩道を、年老いた男性がひとり渡っていた。

この寒いのにずいぶんと薄手のジャケットを着て、杖をつき
足が悪いのだろう。ゆっくりゆっくり、一歩一歩を確かめるように歩みをすすめていた。
そろそろ信号が青から赤へ変わろうというのに、彼はまだ横断歩道の三分の二ほどまでしか来ていない。

その姿を見ながら思った。
どうして一人なんだろう。足が不自由だというのに、付き添ってくれる親族は近くにいないのだろうか。
奥様はご自宅で待ってるのだろうか。それとも、もう先立たれてしまったのだろうか。
子供たちはすでに巣立ってしまって遠くに住んでいるのだろうか。

今日はバレンタインだというのに、
こんな寒空の下ひとり歩いて、彼はどこへ行くのだろう。
いったいどんな人生を送ってきた人なのだろう。


彼が無事にあちら側にたどり着いたのを見届けてから車を発車させた。


なぜだか
その姿に、夫の姿が重なった。




若かりし頃、まだ恋をしていた頃は
「相手に先立たれて一人残されるなんて、私には耐えられない」と思っていた。

実際、当時つき合っていた彼氏には(その人と老いるまで共にいるだろうと思っていたので)

絶対先に死んだりしないで。死ぬ時は私が先に逝きます。

とお願いしていたぐらい(笑)




今は、、、

今も

老いてから相方に先立たれた日にゃあ、そりゃ辛いだろうなあとは思うけれども

それよりも相手を一人残していくことのほうが心配で、とても先には逝けないという思いのほうが強い。
相手に孤独な辛い思いをさせるくらいなら、私がきちんと看取って送り出そう
たとえその後自分がひとりぽっちになろうとも
相手がひとりぽっちで暮らす図を想像すると、、、
いやいや、私がひとりぽっちになるほうがまだずっとマシ、と思う。


これが恋と愛の違いなのかなあ。


日本語は、このふたつをきちんと言葉で区別しているから素晴らしい。
英語では、どちらもひとまとめに「Love」と呼ばれてしまう。
全く性質のことなるもの(たぶん)なのにね。


長寿大国「日本」の出身で、しかも女性なので
3つしか年齢差のない夫よりは私のほうが長くこの世にいる可能性はかなり高いと思う。

でもマイケルとなると、20年以上の差があるので
おそらく私のほうが先に逝くだろう。
兄弟のいないマイケルは、私たちがいなくなったら完全に一人になる。
それは、もし明日私たちに万が一の事が起きたとしても、同じこと。
だから、たとえ一人になってもきちんと自分の人生を歩んでいけるよう、マイケルにはとにかく強い人間になってほしいという気持ちが強くある。



さてバレンタインの夜、仕事から帰宅すると
私のデスクの上に、、、




バラの花の値段が高騰するこの日。
どうやら予算不足でバラのみのブーケは買えなかったらしい相方(笑)

しかも、カードの封筒をよくよく見ると。。。

おやおや?



あらら〜 (大笑)




なんともまあ。。。
思わず顔がほころんだ。



一生懸命、ひらがなで、書いてくれたんだよね。


しかも、このイチゴも
チョコを溶かして夫が自分で作ってくれたのだそう。

そのイチゴはすっぱくてでも甘くて、とってもホロリとする味だった。

そして何故だか、昼間見たあの老紳士の姿が ふと脳裏をよぎった。



こんな事を言うと単なるのろけにしか聞こえないのだろうけれど
私は真摯に、夫を
大して良い人間でもなかった私に神様が届けてくれた
贈り物だと思っている。

その贈り物とケンカをすることも多々あるが(笑)

長く長く 大切にしてゆきたいと思っている。



バレンタインの日に思ったことでした。


  
Posted by レニア at 17:23Comments(6)夫婦

本日の夫婦の会話

2012年02月14日

書斎で 夫と二人きりだった午後。

お互い自分のデスクに向かっていて
背中合わせに座り
夫はネットで新聞を読み
私は宿題の添削をしていた。


夫:It's Valentaine's Day tomorrow, huh? 「明日はバレンタインデーだね」

私:uh huh. 「そうね」

夫:So, it's the day I get chocolates from you. 「じゃあ、僕が君からチョコをもらう日だね」[日本の習慣]

私:(ここで私初めて振り返り、夫を見て)
   Oh, since I live in the States now, I thought tomorrow is the day that I get roses from you.
 「あら、私今ではアメリカに住んでいるから、明日って私があなたからバラの花を貰う日だと思ってたわ」 [アメリカの習慣]


しばし、お互いの顔を見つめて


最後に、ニヤリ ニヤリ




さて、この勝敗はいかに? (笑)






実は、今日仕事の帰り道にあわててカードショップに立ち寄って
バレンタインのカードを購入した私ですが
お店の中は、結構「ぎりぎり」の奥さん旦那さんでごった返してました。

Happy Valentine's Day!





  
Posted by レニア at 18:33Comments(6)夫婦

今日の 夫婦の会話

2011年12月15日

定期購読している雑誌の今月号が届いた。

今月号の特集は

How to break your bad habits
「どうやって悪い習慣(クセ)を断ち切るか」



夫に、雑誌の表紙を見せて

今月号の特集は "How to break your bad habits" だって。

What do you think my bad habit is?
(私の悪いクセって、何かしらね?)


と問うたら


間髪入れず



夫:You worry too much


.........






ここは、笑うとこでしょうか、怒るとこでしょうか?

  
Posted by レニア at 13:59Comments(0)夫婦

夫婦のコミュニケーション

2011年12月11日

世の夫婦って、昼間パートナーと離れている間
主にどうやってコミュニケーションをとっているのだろう。


うちの場合は
もっぱらこれに頼っている



英語で「text message」といいます。

日本の「携帯メール」に似てますが、メールアドレスに送るわけではなく
相手方の電話番号にそのまま送ります。



「あとで、メールするね」

の感覚で

I'll text you later (あとで、テキストするね)」といいます。


昼間、お互いが家の外にいるとき
相方との連絡は、殆どこのテキスト・メッセージ。

ドライヤーに入ってる洗濯物、もう乾いてるからね  とか
ごめん、冷凍庫の豚肉、外に出して解凍しててくれる?  とか
すごい渋滞〜〜! こりゃ帰り着くのは○時になりそうだわ。。。 とか

内容は他愛もないことなんですが。



電話だと相手を拘束してしまうけど
テキスト・メッセージだったら、本人の都合の良い時に見てもらえるし
私も学校にいる間は電話に出れないことが多いので
これはとっても重宝する。


おもしろいのは、マイケル。
電話をかけると出なかったりすることがあるのだけど (特に友達と一緒にいるとき)
テキスト・メッセージを送ると、瞬時に返事が返ってくるのだ。

世代ですねえ。。。



話戻って
夫とのテキスト・メッセージですが

「アメリカ人だなあ〜。。。」と思うのは

一通り、用件が終わった後には必ず

Love you

で、メッセージを締めくくるとこ。


私も相方に右に倣えで、普段は「Love you」でメッセージを終えるようにしてるんですが

ケンカをした翌日とかは
この、終わりの「Love you」が出てこないんですなあ 笑

そして
再び、テキスト・メッセージの終わりに「Love you」がつくようになると

あ、仲直りしたんだ〜私たち

みたいな べー


夫婦の現状を推し量る目安にもなっております。



余談ですが
「smart phone」のことを、日本語では
「スマホ」
と言うんだそうですね。

先週初めて知りました。。。

来学期、

「最近仕入れた新しい日本語」として
学生に自慢しようと思います。

  
Posted by レニア at 18:33Comments(6)夫婦

共に老いる

2011年08月31日

シャワーのあと

バスルームで髪を乾かしていた時のこと

ふいに、夫がやってきて

しばらく、ジ〜っとこちらを見ていたかと思うと

突然


My baby is getting old


と、のたもうた。


はぁ〜っ ???

あんた、いくら私がおばちゃんやからって

自分の嫁さんにむかって

いきなりその無神経な発言は、

なんやねん???



と、どつきそうになったら



間髪入れず、彼は 私の後頭部の
髪の毛をおもむろに


ブチッ!


私: あいたー!!! 何すんのよっ!?


マジ、切れそうになった

でも

「ほら」


と、差し出された
手にあるものを見て、、、


うわっ、、、真っ白


思わず、見とれるくらい

真っ白で、キラキラでした。 ガーン


白髪

(人間の体って、神秘やね〜、、、白い髪の毛を見ると未だに感動するワタシ)



それを手にした夫の

まあ〜〜、、、嬉しそうなこと


確かに

3つ年下の夫のほうが、白髪はずっと多いが。。。

だから、私に白髪を見つけて
嬉しい気持ちも、分からないでもないが、、、


だからって、

My baby is getting old~~ ♪




るんるん♪
でも音程バラバラの
メロディーをつけて唄うのは 

やめてくれ。

  
Posted by レニア at 18:53Comments(0)夫婦

ケガ

2011年06月25日

痛みに鈍感な人って、いますよね。
うちの夫が、まさにそれ。

「血」がダメな人って、いますよね。
私が、まさにそれ。

己の血はぜーんぜん平気なんですが
人様の血を見ると
サーッと、血の気が引きます...


月曜に夫がケガをした。



その日、私は成績提出の締め切り日で
朝から机に向かっていた。

いつも通り正午近く「ただいま〜」と帰宅した夫。
「おかえり〜」と言いながらデスクで髪振り乱す私を見て

夫:あ、今日成績の締め切り日だったね。
  I'll leave you alone. Let me know when you are done.

私:ごめんね〜、あと1時間ちょっとで終わるから!



そして1時間後。



私:やっと終わったよ〜〜

と、リビングルームにいた夫のところへ行くと
なぜか???
彼は左手に冷凍コーンの袋を持って、ソファに座っている。。。
何だか顔色も悪い。

私:......なんで、冷凍コーンの袋、手に持ってんの?

夫:実はさ、今日職場でちょっと転んじゃったんだ。
  悪いけどちょっと背中見てくれる?


まだユニフォームを着ていた夫のシャツをめくってみて
失神しそうになった私。




血だらけ、あざだらけ


なんで、
なんで、



はよう、言わんか〜〜い!!!


マジ、キレそうになりました。。。ガーン



手に冷凍コーンを当てていたのも
左手の痛みを冷やすためだった

左手の中指、複雑骨折


これは翌日、職場のボスに
「医者、行ってこーい!!診断書もらってくるまで仕事来るなー!!」 と命令されて
しぶしぶお医者さんに行ったから分かったことで

失神しそうになった日は私がいくら
「お医者さん行こう!!」と行っても

夫:いいよ〜、このくらい。
  もし骨折してたとしても、医者が出来る事なんて何もないよー。
  Pain Killer(痛み止め)は家にもあるし〜
  あ、悪いけど、背中の消毒だけしてくれる?


だとさ。


ガーン ガーン ガーン


仕事、しすぎたな(私が)。。。


何故か一瞬、ものすごい反省の念が体中を走った。



おかげさまで、順調に回復にむかってますが

夫は過去に、ろっ骨を骨折した時も

痛みに喘ぎながら

「タクシー代がもったいない」


バスに乗ってER(緊急病棟)へ行ったという強者で(マイケル談)

今回も夫は平然としてるのに
毎晩バンテージを取り替える私のほうが


痛い、痛い、痛い!!

とおたけんで
青ざめている有様だ。。。

英語で

Sympathy Painって

言うんだそうです。。。



皆さんも、ケガにはくれぐれも気をつけて下さいませ。


  
Posted by レニア at 16:28Comments(4)夫婦

40歳

2011年05月25日

今度の日曜で
夫は40歳になる。

私:あれ? 今年でいくつになるんだっけ?

と数日まえに聞いたら

夫:40歳で〜す



何だか嬉しそうに答えていた。


私:へぇ〜、やっと40かい。
      (まだまだ青いねえ)← この部分は声に出しては言わなかった 笑

なーんて
数年前に既に40の壁を越えた私は
ちょっと偉ぶってみたが

実年齢と
精神年齢は
必ずしも合致するものではなく

私より(ちょっと)若い夫のほうが
人生経験は、うーーーーんと積んでいる。

でも一つだけ言えることは
30歳を迎えたときとは違って
40歳を過ぎると

あ〜、人生半分は過ぎたんだなー って

何だかヒシヒシ感じてしまうことでしょうか。

そして感謝。

40年もの間、大した故障もせず持ちこたえてくれた
この体。

丈夫な体を授けてくれた、親に
ホントにホントに、心から感謝です。

この丈夫な体があったから
異国の地にあっても
私は今までちゃんと、おまんまが食べてこれました。
しっかり、生き抜いてこれました。
何にも代え難い、財産です。


同様に
夫のお父さんお母さんにも
心から感謝です。

ありがとう。


夫に

私:いよいよ40代に突入の心境は、いかが?

と聞いたら

夫:ん〜、別に。年齢なんて、ただの数字だからね。


たしかに。。。


しかも
40歳超えてしまうと

自分の年齢なんて

マジで忘れまっせ。 







  
Posted by レニア at 19:07Comments(4)夫婦

長門裕之さん 死去

2011年05月23日

偶然、ニュースサイトでこの悲報を目にして
ビックリです。。。

奥様の「南田洋子」さんが亡くなられてから、
まだ1年半ぐらいしか経ってませんよね。

まるで奥さんの後を追うかのように
逝ってしまわれました。





芸能界きっての「おしどり夫婦」と呼ばれたお2人ですが

長い長い結婚生活は
決して順風満帆だったわけではなく

長門さんの浮気問題、事業失敗による巨額の借金など
いろんな問題があったようです。
それでも奥さま、洋子さんは
長門さんの側を離れることなく、支え続けた。

晩年、洋子さんが
重度の認知症を患ってからは
今度は長門さんが献身的に洋子さんの介護をされ
そんなお二人の姿には
胸の奥深いところを
グッとつかまれるものがありました。


さまざまな事を一緒に乗り越えた
その先にだけある
究極の
夫婦のかたちなのでしょう。

妻としても
一人の人間としても
まだまだひよっこの私には
到底、想像の域をでません。





今ごろお二人で、再会を喜んで
楽しくお話しなどされてるのかな。。。


ご冥福をお祈りします。
  

Posted by レニア at 19:27Comments(2)夫婦