ケンカってよくない

2013年04月19日

「ケンカってよくない。
赤ちゃんもきっと苦しかったことでしょう。
可哀想に、、、ごめんね。」



まだこの世に産まれてもいない私に向かって
母がかけてくれた最初の優しい言葉がこれだった。



妊娠期間、仕事帰りに父と待ち合わせて映画を見にいった。
でもその帰り道、ひょんなことからケンカになった。
妊婦の母を気遣っていつもは布団を敷いてくれる父も
その夜はさっさと寝てしまったとのこと。
母はその夜、ひとり日記をづつりながら
涙が溢れて止まらなかったらしく
おなかにいる私に向かって「ごめんね、苦しかったことでしょう」と謝った。


若い妊婦であった母が、綴っていた日記。
その赤茶けた大学ノートを
私が日本を離れた20年近く前に、持たせてくれた。

自分のその後の人生で、「もうここまでだ」と全てを投げ出してしまいそうになった瞬間に
そのノートには何度救われたかしれない。


「ケンカってよくない」


母の日記にあったその一行は

とりわけ、何故だかいつも心にある。




以前のブログにも書いた記憶があるが

私は夫婦ゲンカに勝ったことがない。




負けるが勝ち

いつも「謝ろう」の気持ちを私が実践するまえに
夫が先に謝ってくれるからだ。



久々に夫婦げんかをした。


原因は、今振り返って考えると
「アホか」と自分でも情けなくなるような、些細なことだった。


当然
ケンカの本当の理由は、そこにあったわけでない。

ただ自分に余裕が無くなっていただけ。



「ケンカは自分が甘えたい人。自分の理解を教えたい人」

...っていう歌、ありましたよね。
(そういえば華原朋美さんって、薬物中毒を乗り越えて歌手としてカムバックしたそうですね)


私のはまさしくその典型的な例。相手に対して甘えが出るとケンカになる。


この数ヶ月、自分の忍耐やら許容量やらを試される事象が続いたので

そのストレスの矛先が
完全に気持ちを許している夫に向かったものと思われる。

どーん!!!と爆発してから

心のどこかで「あ〜、またやっちゃったよ、やっちゃったよ...」と内心焦っているのに

故郷、鹿児島の桜島のごとく
熱くモクモクと、噴煙が立ち上っている間は
なかなか気持ちがおさまらず、どうにも「ごめんなさい」が出てこない。

そうこうしているうちに、相手が先に

「ごめんね」と謝ってくる。

そうして毎度、夫婦ゲンカには負けているのである。




ケンカって、よくない。

ケンカの本当の理由が、「そこ」には無い場合は、もっとよくない。


そして、「ごめんね」が先に言えないのは、非常によくない。。。


でも、人間の器の大きさ(小ささ)は、なかなか変えられないものだ。
夫は明らかに
私よりもずっと、人間が大きいのである。

実年齢は私のほうが上なのだが
そんなことは、人間の成熟度とは全く関係ないのである。(と実感する日々だ)






「妻の祈り」のおかげで
見知らぬ多くの方が、このブログを読んで下さるようになり
中には「レニアさんのブログのお陰で救われました」とメッセージを送って下さる方までいた。

そう言ってもらえたことは、純粋にとっても嬉しかったし光栄だった。


でも、そう言ってもらっている当の私は
一番大切な人に、速攻で「ごめんなさい」も言えないレベルの人間で

何だか非常に情けないし申し訳ない。




夫婦であって

時には衝突することのほうが当たり前であると思うし
健康的だとは思うが

ごめんなさい、は
素直に言えたほうがいい。
できれば先に言えたほうがいい。



いつの日か、夫婦ゲンカに勝ちたいものである。




皆さんは大切なパートナー(または家族)と衝突が生じた際

どのように対処されているだろうか。








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Posted by レニア at 16:27│Comments(6)夫婦

この記事へのコメント

◎言いたいことは言う=ためない
◎次に同じ理由でけんかしないように意見はとことん交わす
◎できるだけ、朝に話しあう=夜はこじれる(笑)
◎おいしものをたべさせる(笑)
それくらいかな?
いいよ。あやまらなくて
無理は禁物。結婚して20年だけどけんかのネタはつきないね(笑)
でもけんかするからこそお互いの怒りのツボがみえてくるでしょ
けんかするたび、仲良く愛がふかまっていくよ、きっと..
Posted by 樹樹 at 2013年04月19日 21:32
こんばんは。
レニアさんの文章には、いつも泣かされるなぁ。
お母様、自分が綴っていた日記を、レニアさんに持たせてくれたのですね。
私も書いてました。
お腹に我が子がいることが、どんなに愛しくて、守るべき存在がある事が
どんなに自分を強くしてくれたでしょう。

うふふ…
私も「ごめんなさい」が言えない性質だわ。
「ごめんなさい」と謝られても、素直になれないし。
全く可愛げがないったら…。

この記事をきっかけに、「ごめんなさい」が素直に言える自分に
なろうかな。。なりたいな。。ならなきゃな。。
 
なーんて思いました^^
Posted by shanti at 2013年04月19日 23:23
樹ちゃん、

お久しぶり。元気ですか。
勉強になります。。。そして同感。
言いたい事は黙っておけない性格なもので言ってしまうのだけど、気持ちを割って話ができることはやはり不可欠だと、、、でも「夜はこじれる」はなるほど〜と思ったよ。
確かに夜に勃発することが多いわ。一日の終わりでお互い疲れているからだろうね。午前中という時間を相方さんと過ごせる樹ちゃんが羨ましいな。うちは目が覚めた時にはもういないという生活パターンだからなあ〜。
うん、私も今回のケンカの後は「すまなかったね」の気持ちも込めていつもより気合い入れて美味しいもの作ったよ。やっぱり食は基本だ。美味しい物を食べてるときは腹もたたないよね(笑
結婚して20年かあ、、、ふぁ〜、すごいな。私がそこに辿り着く頃は還暦だ!
Posted by レニアレニア at 2013年04月20日 15:23
shantiさん、

shantiさんも書いてらしたんですね。これから産まれてくるお子さんへ向けた日記。それ、息子さんに読んでもらったことありますか?
私が母の日記の存在を知ったのは随分大きくなってからだと記憶してるのですが(大学生だったかな?)読んだ時は何とも言葉で表現できない気持ちになったものです。自分の存在をこんなに喜んで待ち望んでいてくれた人がこの世にいる間は自分の存在を汚したり消滅させたりできないと、その後の人生で何度かUターンをしたことがあります。愛されているということを知ることは生きていく上での大きな支えになりますね。

そんな愛情深い母ではなく、父の激しい気性を継いでしまった私にとっても「ごめんなさい」は長年のテーマです。
普段どーでもいいようなことには「あ、ごめんごめん、ごめんねー!」ってしょっちゅう言ってるんですよ。なのに本当に謝らなければならない時に肝心の「ごめんなさい」が、、、なかなか。(苦笑
コメントありがとうございました。:)
Posted by レニアレニア at 2013年04月20日 15:44
こんばんは、はじめまして。「妻の祈り」をFBで見つけてから、お気に入りに登録して時々読み直していました。でも今日初めて、なんとなく、どんな方なんだろう、といくつか他の日記を拝読しました。先にごめんねが言える、両親とレニアさんへの愛にあふれている旦那様も、あったかいコトバと透き通った感覚に満ちたレニアさんも、なんて素敵な方なんだろう、とブログだけで伝わってきました。そしてそれはきっと、こんな日記を書いていらしたお母様からも受け継がれているのだろうな、と。
私はもうすぐ30で、今子どもが欲しいなと思っています。私自身がこんなに子どもなのに、大丈夫なのかなと思ったりもしながら・・・。いつかそんな日が来た時、私も日記を残そうと思います!そしてそれまでに、私も迅速に「ごめんなさい」が言える女性になりたい、としみじみ思いました。
ちなみに我が家も、主人が先に「ごめんなさい」してくれます。対処する間もなく。惨敗です(^^;
Posted by SaLLy at 2013年06月29日 00:56
SaLLyさん、

初めまして。SaLLyさんこそ人に対する優しさと、深い愛情に満ちた目をお持ちの女性であるのが、コメントから伝わってきましたよ。
母の優しい心根を少しは受け継いでいるといいのですが、実際は「母に似ていればよかったなあ〜」と思うことばかりで、自然と思いやりを持って相手に接するということをこの年になっても(ちなみにSaLLyさんより一回り以上上です)未だに周りの人から学んでいる毎日です。

夫は「よく考えたら自分が悪かった、ごめん」という謝り方はしてきません。「悲しくさせてごめん (I'm sorry I hurt you)」と言ってきます。
「正しい、正しくない」を超えたところにあるごめんを教えてくれた人でした。SaLLyさんのご主人様もきっとそんな人間愛に満ちた方なのでしょうね。
ぜひお二人でお父さんとお母さんになってください!私もこの年で自分のことを「子供だなあ」と思いますから(笑)、欲しいと思ったときがその時なのだと思います。お二人なら親という大事業に力を合わせて取り組まれることと思います。コメントありがとうございました。
Posted by レニアレニア at 2013年07月01日 05:58
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