腹が立つこともあるのだ

2013年10月08日

今年は種から育てた青じそ。

こんなに巨大化してくれて、おかげで夏中お料理に大活躍だった。
腹が立つこともあるのだ

そのシソも花をつけ始めた。そろそろ終わりかな。

冬になったら、またスーパーで買わないといけないなあ。。。

この夏も本当にありがとね。毎日おいしく頂きましたよ。
来夏もまた再生してかえってきてね。
腹が立つこともあるのだ

ラナイ(バルコニー)からふと空を見上げると、こんな感じ。

陽の色がすっかり柔らかくなっている。
腹が立つこともあるのだ
木々も紅をさし始めた。
腹が立つこともあるのだ

腹が立つこともあるのだ



車中のミラーにぶらさがってる、ちっちゃな子たち。
ぜんぶ姪っ子たちからのプレゼント。私が日本に帰る度に数が増える。
腹が立つこともあるのだ

今回の新入りは、右端のクロネコちゃん。

夏休みに福岡の「スペースワールド」に行った時の、夫へのお土産だとか。
帰省したとき、姪っ子が私に手渡してくれたもの。
腹が立つこともあるのだ






新学期が始まって3週目。
新しく103人の学生との出会いがあった。
年のせいか、なかなか名前が覚えられず
ようやく全員の顔と名前が一致してきたところだ。



さて、月曜の仕事を終えて帰宅。
ガレージに車を入れた時点では、
「家に入ったら、まずあれをして、それからこれをして。。。」と
その夜の「やることリスト」が頭の中を駆け巡っていた。


ただいま〜 とドアをあける。


「おかえり...」と出迎えてくれた、相方の

全身から放つエネルギーの、まあ何とも重いことよ。


「おやおや、どうした?」 


... 珍しいなあ



私: How was your day?

夫: Hmmm..... Not very good.




ご存知の方はご存知だと思うが、うちの夫は「ドラえもん」

いつも「ぽよよ〜〜んオーラ」満載で、とりわけ沈んでいる日や機嫌が悪い日はほとんど無い。
何があっても淡々と
右から左へ するる〜と流す人。



そんな相方から「あまり良い日じゃなかった」という言葉が出るということは
こりゃ、よっぽど何かあったな
ということで

「今夜のやることリスト」はとりあえず脇に保留

私: よっしゃ、寝る前にビール1杯つきあってよ

(この時点で夫の就寝時間30分まえ)



冷蔵庫からビールを2本取り出し、夫をカウチへ誘う。









"If I Knew It Would Be the Last Time"
(もしも最後だとわかっていたなら)


という本をご存知だろうか。



アメリカなら、カードショップへ行けば大抵のところには置いてあるメッセージ本だ。
日本でも翻訳されていると聞いている。


もしもこれが、あなたと過ごせる最後の時間だと知っていたなら
私はもっと時間をかけて、あなたの目をみつめ、あなたの手を握り
あなたの話に耳を傾け
あなたをどんなに大切に思っているかを、言葉を尽くして伝えただろう



という内容の本だ。




私はこのメッセージ本を、まだハワイに居たころに購入した。

でも、それを意識して実践できるようになったのは
つい最近のことだ。


この本の言わんとしてることは痛い程分かるのだが
分かっていながら、普段はそれが頭からポーンと抜けてしまっていることのほうが多い。



今日はそれを敢えて思い出して意識できた

珍しくもラッキーな日だった。





ビール片手に、夫のとなりに座り

彼の言わんとすることに黙って耳を傾ける。






話を聞いてみると、、、



今日職場で、一日の業務が成り立たないかもしれないほどの大ハプニングがあり
同僚たちがパニクっているあいだ
その場の管轄を担当していた夫は、状況修復に走り回り

その間、苛立った同僚たちの攻撃的な言葉を浴び

中でも10年来の知り合いである
ある同僚からの心ない一言に一瞬キレかかったとか。


それでも何とか平静を保ち、「待ったナシ」の仕事をそのまま続行したそうな。




私は知り合ってこのかた、夫がキレるところ実は未だ見たことがない。

夫に言わせると42年の生涯で、今まで自分がキレた相手はたった3人だけ:
(1)お姉さん (2)前の奥さん (3)マイケル
だそうだ。


私の知るぽよよん相方からは想像もできないのだが、
キレると恐ろしく怖いらしい。(マイケル談)
もし可能ならば、そうした面を見る必要なく無事に今生を終えたいものである。




話は逸れたが...




同僚が自分のフラストレーションを夫に対して投げつけてきたのは

私が想像するに、
おそらく夫のキャラのせいだろう。

何を言っても一番安全なやつだと判断されたに違いない。(その気持ちはよくわかる)



アメリカ人の基準だと、

彼のようなタイプはなめられ易いというか
いつも貧乏くじをひいて
不利な立場にある弱いタイプだと判断されやすい。


日本人である私の基準から見ると


多くの人間が発するネガティブなエネルギーを一身に受け
それでも逆ギレして相手を攻撃するでもなく
黙って受け止め、状況回復をまず最優先として仕事を続行し
すべてを内に秘めて家に帰ってきた。

飲まず食わず、トイレに行く時間もなく
混乱のなかを12時間働いて帰ってきた。


あんたはあっぱれだ。


その場にいた誰よりも、強い人間だと尊敬する。



私: Wow... that's amazing. You did a wonderful job!!


と言った瞬間、

青白かった相方の顔に、ピンク色の生気が戻ってくるのが見て取れた。



私はこのためにこそ存在するのである。







"If I Knew It Would Be the Last Time" (もしこれが最後だと分かっていたなら) ...


今日は思い出せて、よかったなあ。









。。。と、話は実はここで終わらない





夫は朝10時ごろ仕事から帰宅して、シャワーを浴び
ひととおり落ち着いて頭を冷やした後

その暴言を吐いた10年来の同僚に、ちゃんとメッセージを送っていたのである。


I understand that you were frustrated this morning. Everybody was.
But I appreciate if you would never use the tone and language that you used to me from now on.





それは
私が普段あまり見ることのない夫の一面で

感情的なトーンぬきで、それはそれは見事に理路整然と
淡々と

相手に対して「こうこう、こうであることを望みます。これからも良き同僚としてお互い気持ちよく仕事をしてゆくために」と
己の意見と要望を、きちんと言葉にして綴ってあった。

その相手からは、彼がメールを送った10分後には
真摯な謝罪の返信が届いていた。



こういうところは。。。



アメリカ人だなあ〜〜と思う。  えーっと・・・







人間は さまざまな面を内側に秘めている。


相手との相性や化学反応によって


己の最悪の部分
または、最高の部分が引き出されることもある。



私たちは夫婦なのでもちろんケンカは人並みにするが



ふだんは穏やかな夫を

「恐ろしく」豹変させるほど怒らせたり、

傷つけたり

悲しませたりは

出来ればしたくないものである。



出来ることなら
相棒の、最高の部分を引き出せる自分でありたいと

そう願うものである。












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Posted by レニア at 14:14│Comments(12)夫婦

この記事へのコメント

素晴らしい旦那さんですね。

そして、レニアさんもまた。

私たち夫婦もよくぶつかりますが、甘えのせいもあり、かなり怒らす所まで持っていってしまいます。

気を付けなくちゃ。

明日が来るのは当たり前ではないと、分かっているつもりなんですが、ついつい。

出来るだけ、いつも思い出せる精神状態でありたいと思います。

ありがとうございます。
Posted by 幸 at 2013年10月08日 17:09
読んでいて涙が出てきちゃった。。今日は涙腺が緩いな-_-b
ご主人素敵だね。本当に素敵だ!
私の想像しているアメリカ人男性とは全く違うのね。
そして、レニアちゃんも。
自分も十分、疲れているだろう時に、きちんと向き合って話をする時間を作るなんてなかなか出来ることじゃないよね。
凄く良いご夫婦なんだなって。。
Posted by かをり at 2013年10月08日 21:18
 よいお話 有り難う、
大和撫子の代表ですね、(今は 死語かもね)
今の世の中 自分のことが一番の方が多いのに、ご主人の事をこんなに思いやる、 心の大きさに感動させられました。

私も、残りの人生 おそばせながら、心して、連れ合いに接して生きたいです。

新しい職場でも大変でしょうが、ストレスを溜め込まないよう、祈ります。
何時も、楽しみに拝見させて頂いております。

PC わくわくしながら 開けるのが 楽しみな この頃です。宜しく
Posted by 彩の国 こうばば at 2013年10月09日 13:11
幸さん、

私も普段は甘える気持ちのほうがずっと大きいのですよ。「こいつには何を言っても安全だ」と同僚の人はきっと考えただろうな〜と思ったのは、何を隠そう私にそういう気持ちがあるからです。
自分で少しは成長したかな?と思うのは、事が起きるまえに、そうした自分の甘えを自分でキャッチできた瞬間かな。でも自分で気付いた時には「時すでに遅しだった」の時だってあるのです。(^^;)

自分の状態を客観的に把握できる精神状態を保つことは、良好な人間関係を維持するには不可欠ですよね。
私もそれはヒシヒシ感じます。なかなか難しいですが。。。特に夫婦のように非常に近しい間柄になると、余計ね。

でも昨日のようにそれが成功した日には、これだけの恩恵があるのだと...それを目の当たりにすると、驚きと共に、又の励みになります。自分という人間があるひとりの人間に対してこれだけの効力を持てるって、やはり夫婦ならではでしょうか。昨日はそれが何だか嬉しかったです。
コメントありがとうございました。
Posted by レニアレニア at 2013年10月09日 14:32
かをり姉ちゃん、

そんなに共感してくれてありがとう。。。
私は実は相方の話を聞いているときにちょっと涙目になっちゃった(笑)。
夫以外のアメリカ人男性とお付き合いしたことがないので比較するものが無いのだけれど、典型的なアメリカ人男性とはやはりちょっと違うかな?
だから周りには「変わってる、へんなやつ」と思われることのほうが多いかもしれません。

昨日はね、実は日中の仕事もとんとん順調に進んで私にとっては実は良い日だったのです。だから自分に気持ちの余裕があったのが大きかったと思います。
グッタリ疲れてへとへとで帰宅した時にも同じように対応できるといいのだけど、どうかな〜。。。(^^;)
頭では分かっていても実行に移せない時って多いよね。
Posted by レニアレニア at 2013年10月09日 14:40
彩の国 こうばば様、

初めまして。お立ち寄り下さって、そしてコメントまで残して下さってありがとうございます。

ブログには何だか格好いい事を書いてしまいましたが、私は普段夫のことを思いやるよりも、逆に夫に思いやってもらっている割合のほうがはるかに大きいと思います。重々それを自覚しているのですが中々改められずにいるのが現状です。

上で幸さんもコメントされてますが「余裕のある精神状態に自分を置いておく」重要さを日々痛感しています。一時は自分の許容量ぎりぎりまで働いていたこともあったのですが、それでほんの少し収入が増えたからって、伴侶に心配りをする気持ちの余裕もない毎日、そんな自分でいて一体何の意味があるのだろう?と思うようになりました。今年はとにかくそれを念頭に仕事の量を調整してきました。昨日はようやくその成果が芽を出した瞬間だったのかもしれません。

大和撫子、とても及びませんが憧れます。そうコメント下さってとても光栄です。更新もあまり出来ない自分勝手なブログですがよろしければまたお立ち寄り下さいませ。心温まるコメントをどうもありがとうございました。
Posted by レニアレニア at 2013年10月09日 14:58
 初めてコメントします。いい夫婦関係を築かれててうらやましいです。旦那さんってなんか日本人的な感じがします。私も昔は害のない人間と思われていたようで職場の人から激しい口調で責められることもありました。でも旦那さんの文面に合ったような言葉をきちんと面と向かって相手に言うようになったら、誰も何も言わなくなりました(笑)。
 会社って理不尽なことも多いですから。何か問題があったとき優しい人とかおとなしい人がその責任を負わされるようなこともあります。旦那さんがそのやさしい性格ゆえに必要以上に傷つかないことを祈っています。
Posted by パットパット at 2013年10月12日 08:12
パットさん、

初めまして。実直で心穏やかな人が思わぬ被害を被り易いのは日本もアメリカも変わりないのですね。でもそれって本当にどこか、間違っていますよね。。。

私はその点、教育の場を職としてますので恵まれているのかもしれません。いくらベストを尽くして良い授業をしたって別に収入が増える訳ではありませんが、代わりに学生からの反応は顕著に違ってきます。こちらが心を込めて教えたぶん、明らかにあちらも心を込めて返してくれます。
純粋な人間同士のやり取りを生業として生活の糧を得られることがどんなに希有でラッキーなことか、、、それは相方にもよく言われます。

相方はあのキャラ故に、今まで色んな人に傷つけられて生きてきた人ですが「凄いな」と思うのはそれを許して忘れてしまうことです。傷つけられ慣れている(?)というか、ある程度まで自分でベストを尽くした後は、もう仕方がないと受け入れて、流してしまいます。負の感情を自分の中に全く蓄積させません。「傷が多い人ほど、実は強いのだ」と私が感じる所以です。パットさんもきっとそんな経験を多くされてきたのでしょうか?
私はまだまだ人生経験が足りなくて及びません。

そうですね、夫はどちらかというと日本人ぽいかもしれません。実際会ったことのある友人には「昨今の日本人よりずっと日本男児っぽい」と言われたこともあります。私も普段は相方が異文化から来た人間だと意識して接しているわけではないのですが、ふとした瞬間にアメリカ人ならではの面も出てきますので(笑)、そんな時は「ああそうだった、この人は日本人ではなかった」と思い出すという感じです。でも最終的には、人と人だと感じます。
コメントありがとうございました。
Posted by レニアレニア at 2013年10月12日 14:35
すぐに相手のコンディションを見抜く直観力を、磨きたいです。と言うワタシの相方は、お先に逝っちゃいましたけど。

とても、気難しい、瞬間湯沸かし器のような人でした。若い頃は、1年365日仕事をして、ワタシはその後を連いて行くだけで、息が切れました。

そして、少しでも弱音を吐くワタシを、罵倒したものです。でも、40歳になって、いきなり重病を宣告され、そこから、段々おとなしくなりました(笑

亡くなる前日まで仕事をしていた夫、何故そんなに頑張るの?って良く聞いたものです。肩にかかる物が重すぎたんですな。社員、家族、姑・・・・あんなにコロっと逝ってしまうのだったら、もっともっと早く会社をたたんで、せめて1ヶ月でもゆっくりさせてあげたかったと後悔しますが、子供達は「お父さんは、絶対に従わなかったよ」と慰めてくれます。

共白髪が理想ですが、なかなかそううまく行くものではありませんね。

そうそう、先日のシアトルで、Tabithaちゃんという「日本語を大学で習っている」というお嬢さんに会いました。レニアさんの生徒さんだったら、いいな~って思いました。
Posted by Okura at 2013年10月12日 14:58
Okura様、

コメントを読ませて頂いて何だかジンときてしまいました。。。 旦那様はものすごく家族思いの頑張り屋さんだったのだとお見受けします。守るべき愛する人たちのためにとにかく自分が常に強くあろうとぎりぎりまで頑張った方だったのでしょう。ずいぶん若くでご病気になったようですが、おそらくご自身は「自分の健康」と「周りの人間の幸せ」を計りにかけたときに、迷わず周りの人の幸せを優先する愛情深い男性だったのだろうなと思います。 お子さんはたぶん正しかったと思いますよ。旦那さまは周りの色んなことが心配で、おそらく1ヶ月どころか1日も休んでいられなかったのではないでしょうか。その頑張りが実を結んで自分亡き後も家族が平穏に暮らしてゆけることが、ご自身は今お空の上で何よりも嬉しいんじゃないかな?

私も今は「共白髪」を前提として暮らしていますが、実際はこの先に何が起こるか分かりませんよね。ついついそれを忘れてしまいますが、だからこそ一緒にいられる時間を大切にせねばなりませんね。

Tabithaさんは残念ながら私の学生ではありませんが、シアトルの南のほうの大学に行ってるのなら友人が教えている大学かもしれません。 Tabithaさんとのやり取りは今でも続いているのですか?彼女にとっても実際に日本在住のOkuraさんとコミュニケーションが取れるというのは、それこそ日本語の学習意欲を駆り立てる良い励みになると思います。 シアトルの日本語学習者推進のためにも、よろしくお願いします。(^^)
Posted by レニアレニア at 2013年10月13日 02:29
こころに染みました。

なにか、衝撃的に忘れられない内容でした。

関わる人の良い部分を引き出せる

そんな自分であったなら・・

きっと生きていくのがつらくない

孤独を感じることがない

のだとおもいました。
Posted by チル at 2013年10月18日 13:13
チルさん、

ある日のささやかな出来事でしたがそんなに深く感じ入って下さったなんて嬉しいです。
関わる人全てに自分が良いふうに作用するといいのですが、現実はそう簡単にはいきませんよね。ただ縁があって夫婦になった相棒に対しては、プラスに気を流せる自分でありたいなと思います。これも簡単にはいきませんが。

私は比較的ものの感じ方が似た夫と一緒になってラッキーな部分もありますが、文化と言葉を共有していないというハンデも抱えています。へんな話ですが夫といて孤独を感じることもあるのですよ。なのにその同じ人といて、安堵のため息が出る程満ち足りた気持ちになることもあります。
人間にはその日の「お天気」もあるし、絶えず変化もしますしね。
私は「孤独感」は人間にとってとても根源的で大切な感覚だと思っています。誰もが一人で生まれてきて一人で死んで行きますよね。
孤独を実感して初めて、今手元にあるものを愛おしく心に抱けるような気がします。たぶんチルさんはご自身で思っている以上に色んなことに気付いてらっしゃるんだと思いますよ。コメントありがとうございました。
Posted by レニアレニア at 2013年10月21日 15:26
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