レニア山  (Mt. Rainier National Park)

2013年08月23日

3年前、色んな気持ちが内側に充満していて
それを「書く事で発散できないかな」と思い、ブログを始めた。

ハンドルネームを何にしようかなと考えたとき、咄嗟に浮かんだのが「レニア」という名前だった。

シアトルにある、大好きな山 

「レニア山」から拝借した名前だ。


いずれ結婚するだろうなんて思いもしなかった、相方を訪ねて
ハワイからはるばる、初めてシアトルを訪れたとき
高速から見えたのがレニア山。

その景観を目にしたときの印象は、「ショックだった」というのが最も適切な表現で
長年住み慣れたハワイを去る気などこれっぽっちも無かった当時の私が
おそらく無意識のレベルで
「私はいずれここに住むだろう」っと直感した瞬間だったのかもしれない。




夏期講習をようやく教え終え、長かった今年度が終了した。



その瞬間、むしょうに「行きたい!!」と思ったのが、このレニア山だった。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

レニア山   (Mt. Rainier National Park)


シアトル市内から車で南下すること3時間ほど。

レニア山国立公園 に辿り着く。

入園料は車一台$15で、その入園パスは1週間有効となる。



今回はレニア山の麓にある、このホテルに泊まってみた。

なんと1916年に建築されたという、歴史あるホテルだ。
Paradise Inn (パラダイス・イン)
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

レニア山   (Mt. Rainier National Park)


5月ー10月にしか営業していない、レニア山に一番近い老舗のホテル。
(冬期は雪に埋もれてしまうため)

さすが築100年近いホテル、全室に浴室があるわけではない。

今回はラッキーにも「浴室付き」のお部屋を確保することができたが
最近の近代的なホテルからは程遠い、簡素な作りに小さめのベッドがふたつ。

この部屋で、1泊$170ほど。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

もちろんインターネットなんて有るはずもない。テレビも無い。
電話も無い。

ここまで来ると、携帯も通じない。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

浴室もとてもシンプルな作りだったが、有難いことに「シャワールーム」だけでなくちゃんとバスタブ(浴槽)があった。
日ごろ湯につかる私にとっては、これは非常に助かった。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)



ロビーも 全てが木の温もりを基調としており、
なんとも言えぬ...安らぐ雰囲気。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

レニア山   (Mt. Rainier National Park)

ロビー上部には、ロフトのような空間があり
小さな木造のテーブルとイスが並べられていた。
ワイン片手にくつろぐ宿泊客の姿も見られた。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

階下でピアノを弾く人の姿がよく見えた。
黒人の弾き手が奏でるその音色に、しばしうっとり。。。聞き入った。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

フロントまえに置かれた、郵便ポスト。
レニア山にいるクマさんにちなんで、ポストもクマさん。可愛い...(^^)
レニア山   (Mt. Rainier National Park)



レストランだって、ホテルにたった一つしかない。
しかも営業時間が限られている。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

ディナーまえ、開店まぎわのレストラン。
奥のほうに大きな暖炉が見える。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

私たちのテーブルについてくれたウェイトレスさんはケンタッキーから働きに来てると言っていた。

ホテル従業員はみんな、全米または世界中のあちこちから働きにきているのだそう。
夏のあいだだけこの国立公園内の宿泊施設で暮らし
10月になったらそれぞれの場所へ帰ってゆくのだとか。


「レニア山での暮らしはどう?」と聞いてみたら
「大自然に囲まれて働きながら、世界中の人に会えるから楽しい!」と彼女は笑顔で答えた。






さて、ホテルでの異次元空間を満喫するのも良いが

ここまで来たのならやはり山に登らなくては。

もっとレニア山の近くに、行ってみたい。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)





冬の間はすっぽり雪に埋もれるこの地域。

この花たちも冷たい雪の下で長い長い時間を生き延びる。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

「あなたたちの一体どこに、そんなパワーがかくれているの???」

思わず問いかけたくなる。

厳しい冬を耐え忍んできたことなど微塵も感じさせないような、その謙虚で可憐な姿。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

生命の神秘だなあ。

あの厳寒をどうやってしのいだらこんな見事な再生を繰り返せるのだろう。
こんなに、小さな体で。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)



国立公園内には野生動物も多く生息する。

この日お見かけしたのは

Deer (鹿)
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

Chipmunk (シマリス)
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

Marmot (モルモット)
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

そしてモルモットの夫婦(かな?) 
レニア山   (Mt. Rainier National Park)





歩き出しは緑とお花いっぱいだった、ハイキングコースも
レニア山   (Mt. Rainier National Park)


標高が増すにつれ

なんと雪のかたまりに遭遇。8月だというのに。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)


遠くには更に頂上を目指す登山家たちが、夏の雪山講習を受けているのが見えた。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

レニア山   (Mt. Rainier National Park)




頂上とまではいかなくても

私たちもハイキングコースの一番高いところを目指して、歩き続けた。
レニア山   (Mt. Rainier National Park)

レニア山   (Mt. Rainier National Park)



今回トライしたのは「Skyline Trail(スカイライン・トレイル)というハイキングコース。


所要時間、約4時間。





家にいたら、20分おきにメールをチェックしてるような私でも

こういう場所にくると、全く感覚が変わる。

文明の利器から解放され
心がのびのびと深呼吸する。。。そんな感じ。

何も気にならない。極端な言い方をすると、どうでもよくなる。

大切なことは
たぶんそういうことではないんだと、漠然と理解する感じ。

自分が日々 考えあぐねていたり、思い悩んでいたりすることは

おそらく「生きること」に関して言えば
そう大したことではないのだと

そう思わせてくれる、大自然のおおらかさ。



レニア山国立公園

お疲れのかた。
心の浄化に、とても良いかと思います。



シアトルを訪れる機会のある方には、是非ともおすすめしたい場所だ。

レニア山   (Mt. Rainier National Park)











同じカテゴリー(シアトル)の記事画像
ああ無情
思いがけない休日
メリークリスマス!
スタバ 1号店
シアトルの夏
同じカテゴリー(シアトル)の記事
 ああ無情 (2012-07-02 05:59)
 思いがけない休日 (2012-01-22 12:13)
 メリークリスマス! (2011-12-24 21:18)
 スタバ 1号店 (2011-08-30 17:07)
 シアトルの夏 (2011-06-12 18:35)

Posted by レニア at 18:03│Comments(15)シアトル

この記事へのコメント

とってもいいところですね!山も樹も花もきれい
リスたちもだけれど、お花が主張してますね(笑)私たち生きてるよって
いつも素敵なブログをありがとうございます。
NHKの世界街歩きという番組で、レニアさんの住むシアトルが放送されないかなぁといつも思うところであります。
Posted by トムとジェリーのお母さん at 2013年08月23日 20:25
もうすぐ行きます(笑)雲海の上と下の、「息を飲むような青さ」が素晴しいですね。
欲と煩悩にまみれた私ですが、膝に爆弾を抱えているので、遠くから拝んでおきます。
こんなホテルだと、やはりカップルか夫婦でないと、似合わないですね。
一人じゃ、ちょっと心細いですね。お散歩コースとも言えないハードな山登りを敢行されたレニアさん、羨ましい♪
Posted by R.O at 2013年08月23日 23:28
レニアさん、今学期もおつかれさまでした~!

レニア山は遠くからしか眺めたことがないけれど、とても存在感のある美しい山ですよね。いつか登ってみたいな~~~~と想いを馳せながら、今日は仕事帰りにMt.Rainierのカフェオレをコンビニで買って帰ろうかな(笑)

動物達もかわいい!
モルモットってすごく大きいんですね(◎▽◎)!ビックリ(笑)
Posted by hanon at 2013年08月24日 18:47
トムとジェリーのお母さんさん、

お久しぶりです。(^^)
こちらこそいつもお立ち寄り下さってありがとうございます。
レニア山いい所でした。でもこの山、死火山ではなくて休火山で5千年ぐらい前に大噴火してるんだそうです。その時てっぺんが吹き飛ばされて、標高500メートルぐらい低くなったのだとか。
なので今山に生きている木も花もその後再生されたものなんですよね〜。あんなにちっちゃいお花たちも。すごいですよね、生命体の生きる力って。
シアトルをTVで見たいと思って下さるなんて嬉しいです。コメントありがとうございました。
Posted by レニアレニア at 2013年08月25日 04:58
R.O.さん、

もしかして「くつ下」のR.O.さんですか?
もうすぐ出発なのですね。シアトル楽しんでくださいね!!お天気が良いといいなあ〜、そしたらレニア山も街の方からきっと綺麗に見えると思います。
今回私たちがトライしたのは長めのハイキングコースだったんですが、コースも色々あって、一番短いのだと本当にお散歩のような感じで景色を楽しみながら30−40分で回れます。普段はホテルには泊まらず日帰りで行くんですよ。それでも充分楽しめます(そして安上がり 笑)
R.O.さんもいつかおいでになる機会があるといいですね。コメントありがとうございました。
Posted by レニアレニア at 2013年08月25日 05:06
hanonさん、

私も Mt. Rainierのカフェオレ大好きです。大学生の頃などはよく買って飲んでました。(^^)
その頃は、カフェオレに印刷されたあの山がどこにある山かも知らずにいた私ですが。。。その山を実際訪れる日が来るなんて、人生おもしろいですねえ、そう考えると(笑)。
今はいろいろ種類も増えましたよね〜。私も今回帰国したら必ずコンビニに買いに行こう!!

鹿児島まだ暑いですか?大噴火ありましたね。灰もすごいのでしょうか。。。(*_*) 大好きな桜島ですがやっぱり降灰はご勘弁願いたいです。
Posted by レニアレニア at 2013年08月25日 05:13
記事を読んでいるわたしも癒されました。
すてきな旅でしたね♡
心が解き放たれているかんじがよくでてる。
共有できるパートナーがいてくれるって有り難いね。
Posted by 有紀 at 2013年08月25日 17:43
有紀ちゃん、

ありがとう。本当に心がさーっと解き放たれて、ふわふわ〜羽毛のように軽く感じられました。単純だけど、高い所へ行くほど神様を近くに感じるって、あるんじゃないかな?しかもそこへエレベーターで行くんじゃなくて自分の足でえっちらおっちら歩いて行くから、余計そう感じるのかもね。
でも下界におりてきたら再び重力をしっかり感じて、、、ズーン。。。
下界に居ながらにして「ふわふわ」を常にキープ出来る自分が目標です。
Posted by レニアレニア at 2013年08月26日 07:11
私もちょうど、昨日から一泊で初めてのレニアにキャンプにいってきたところです!(パラダイスインも近くを通りました。)
まだ雪をかぶっているレニア、素敵でした。どのあたりが雪でどこから氷河かなと思いつつトレイルを歩きました。
モルモットもかわいかったし、お花も滝も小川もきれいでした。
心が洗われるようでした。
年間パスも買ったので、また行きたいです!
Posted by みみー(薩摩おごじょ) at 2013年08月26日 07:59
素晴らしい写真を見させて頂きありがとうございます。

絵本に出てきそうなホテルに一度宿泊してみたいです。

レニアさんの、仰るように文明の利器にドップリと
浸かっている私たちの日常生活。

体調を崩す時っていうのは、人間の本能で
自然に帰りたいって体が訴えているのかもしれませんよね。

いつも素敵な文章をありがとうございます。
Posted by はち at 2013年08月26日 11:02
みみー(薩摩おごじょ)さん、

お久しぶりです。みみーさんもレニア山デビュー!されたのですね。
これで正真正銘のシアトル住民ですね。(笑)
しかもハイキングだけじゃなくて1泊キャンプされたなんてすごいです!どの辺でキャンプされたんですか?
レニア山には5回程足を運んだことがあるのですがキャンプはしたことないんですよ。いつかしてみたいな〜。

本当にあの場所は心が洗われるようですよね。。。なんででしょう。
私は勝手に神様が近くにいるんじゃないかな〜なんて思ってます。自分のせせこましい心が恥ずかしくなります。

ところでおとなしいレニア山とは対照的に、われらが故郷薩摩の桜島は最近とても元気がよろしいようで(笑)記録的な大噴火だったみたいですね。実は今週から帰省するのですが、降灰はいかほどだろうかとビクビクしているところです。(*_*)
Posted by レニアレニア at 2013年08月27日 10:33
はちさん、

本当に仰るとおりで、私たちの生活を便利なものにしているはずの文明の利器から離れることで、却って安らぐという部分が人間にはあるように思えます。

あのホテルに宿泊した夜、テレビもパソコンも携帯も使えない状態で何をしようかな〜と思った時、まずは「本を読みたい」と思いました。それで相方がグーグー寝入っている横でしばらくひとりで本を読んでいたのですが、その時自分が滅多に体験出来ない、完全な静寂の中にあることに気付きました。
ホントに何の音も、全く聞こえなかったんです。
ある意味とても新鮮でした。
そして自分が普段いかに喧騒の中にいて、それに慣れてしまっているのかに気付きました。

そのうち本を読むのもやめてしまって、ベッドに横たわっていたら様々な思考がくるくるくるっと頭の中を快適にスキップしているような感覚がきて、静かに自分といる時間を楽しみました。そのうち寝入ってしまったのですが、ここ数年体験したことのないような深い深い眠りでした。

自然が私たち人間に及ぼす力の大きさ、、、計り知れないんだな〜と実感したことでした。
身体と心のメンテのためにも、こういう場所を訪れることは大切なのかもしれませんね。コメントありがとうございました。
Posted by レニアレニア at 2013年08月27日 10:52
シアトル住民認定ありがとうございます(笑)
Cougar Rock というキャンプサイトでテントを張ってキャンプしましたよ。
車の横でテント張れるので、楽ですよ。

桜島は、とても元気がよろしいようですよね。最近。帰省されるんですね。いいですね。私も年末には帰りたいです。楽しんで行ってらしてください。

お返事ありがとうございました。
Posted by みみー(薩摩おごじょ) at 2013年08月27日 14:15
レニアさん

はじめまして

ブログ 楽しく拝見しています。

来年の夏 レ-ニア登頂を目指しています。
こちらに赴任して3年計画でマッキンリ-に挑戦しようと意気込んでいましたが、2年で帰国・・・そしてマッキンリ-は手ごわい・・・3年いられれば挑戦する覚悟はあるのですが、まずはレ-ニアに登ろうと決め、情報を集めています。
そこで教えてください。

①ガイドなしの登山は可能でしょうか。
②ガイドが必要なのでしたら、アポの方法をおしえてください。

当方は
2009年に
ネバールヒマラヤ ダンプスピーク 6030 
2012年
ナムチェバザ-ル北西のピーク4000

登頂経験ありです。
こちらに来て8カ月、93キロあった体重は
節制と軽いトレ-ニングで80キロまでおとしました。

おで゛ぶ
Posted by ニューヨークのおでぶ at 2013年11月18日 11:35
ニューヨークのおでぶさん、

初めまして。コメントありがとうございます。
レニア山登頂を目指してらっしゃるなんてすごいです!今までも色々な山に挑まれてきたのですね。
私はニューヨークさんのような登山家ではないので残念ながらお尋ねの情報は持ち合わせていないんです。すみません。でも友人に登山をする人がいるので聞いてみますね。もし分かったら、分かり次第またお返事させていただきますね。
Posted by レニアレニア at 2013年11月23日 11:20
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
レニア山  (Mt. Rainier National Park)
    コメント(15)