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Posted by チェスト at

おへそのつながり

2011年02月01日

親と子を「親子」にするのって
共に過ごした時間だろうか。
それとも、
血のつながりだろうか。

ご存知のとおりうちには息子(マイケル)がいるが、彼は私の実子ではない。
夫と前妻の間の子供だ。

マイケルが産まれたとき、夫は21歳、奥さんはまだ20歳。

まだまだ遊びたい盛りのお嬢さんだったのだろう。前の奥さんは「母親」になりきることができず、夫にもマイケルにもとても深い傷を残していった。

夫は子供のためにどうしても離婚だけは避けたかったそうだ。
マイケルを片親にするのが嫌で、なんとか結婚の修復に努めようとした。

...が

彼女の様々な仕打ちに辛抱強い夫もとうとう絶えきれず、最終的にマイケルを抱っこして家を出たのは彼のほうだったそうだ。
当時マイケルは4歳。
離婚の際も彼女は、マイケルを引き取りたいとも何とも言わなかった。

その後彼女の夜遊びはますますエスカレートし、とうとうドラッグで身を滅ぼしてしまったとのこと。
今では全くの音信不通。。。どこにいるのか、将又生きているのかさえ分からないと夫は言う。
なので私はその人には、お会いしたこともない。

離婚後、夫はシングルファーザーとして一人でマイケルを育てた。
以前のブログに書いたとおり、彼自身のお母さんは彼が18歳の時にすでに他界。。。マイケルが4歳になるころには、夫のお父さんは他の方と再婚されていた。

なので夫は親からのサポートは全くなしで、文字通り「たった一人で」働きながらマイケルを育ててきた。並大抵の苦労ではなかったと思うが、彼自身は
「大変だったんだ」
とか
「すごく苦労したんだ」とかは、
あまり言わない。

マイケルが生まれた日は、ものすごく幸せだった

と言う。

ぽよよん「ドラえもん」の夫だが、彼のこういうところが
私は心底スゴいと、思わずにはいられない。




私が初めて会ったとき、マイケルは14歳だった。
第一印象は「ずいぶんと綺麗な目をした子だなあ」。。。

でも

雰囲気的にはかなり暗かったかな。
まあ、思春期のそういう時期に差しかかっていたせいもあるとは思うが。

小学校まではケタケタよく笑うとても明るい男の子だったらしいが、それでも学校のお友達には
「両親は離婚した」
ではなく
「お母さんは死んだ」
と言っていたらしい。

今でも母親の話は滅多にしない。
一度「会いたくないか」と聞いてみたことがあるが
「会いたくない」と即答してきた。
その時は、なぜか私の胸が痛んだ。


夫と結婚することになったとき、私はマイケルのお母さんになろうとは思わなかった。
母親なんてそんな簡単になれるものではないと、分かっていたから。。。
ただ
いい友達になれたらいいな、ぐらいに思っていた。


さて、実際一緒に暮らしてみて2年ちょっと。
今思うことは、、、

100%友達では、ないなあ。。。
やっぱり
「ちょっと親」かな。
「お母さん」ではないのだけれど

ときどき「親」
ときどき「親戚のおばちゃん」
ときどき「友達」


て感じでしょうか? 笑

マイケルも私のことを「お母さん」とは呼ばない。名前で呼ぶ。
でも、友達に私のことを話すときは「My mom...」と言ってるそうだ。(旦那談)


日常生活でも日々の細かいことで叱るのは、だいたい夫。

部屋が汚い、片付けろ。
宿題したのか。
今のうちにシャワー浴びろ。



私が前に出て叱るときは、もっとシリアスな状況のときだ。

自分の発した言葉に対して、真摯であれ。
人にしたことはいずれ自分に返ってくる。
自分を粗末に扱うということは、親を一番悲しませることだ。
人を傷つけるような言葉を使うな。それを言うことで、結局は自分が傷つくことになる。



夫が叱ると、マイケルは右から左に流すか
または大体言い返してくる。
お父さん大好きなのは見え見えなんだけど、きっと夫に対しては甘えがあるのだろうな。
なかなか素直に言う事をきかないマイケル。


ところが私に対しては、まだ遠慮があるのか
はたまた、私がよっぽど怖いのか?(笑)

滅多に口答えはしてこない。大体は神妙にこちらの言うことを聞いている。。。


そんな時、ふと思うのです。
もしここで私が、赤ん坊の時から育てた実の母親だったら
やっぱり向かってくるんじゃないかなあ〜って。

そして思うのです。

この子の本当の母親は、今どこで何をしているのだろうと。

幼い我が子を手放して、その成長を傍らで見ることも出来なかった自分を
今どう思っているのだろうと。
後悔していないのだろうか。
それとも、
マイケルのことを思い出しもしないのだろうか。。。


マイケルはこの夏には19歳だ。
この先、20歳、30歳、40歳と年を重ねていって
もっともっと時間が経ったとき
そして彼自身も大人になり
いつか親になったとき
自分の実の母親に会ってみたいとは思わないだろうか。


夫はブルーアイだが、
マイケルは、お母さん譲りのダークアイ。
そして、これまたお母さん譲りのくるくる巻き毛の黒髪だ。

母と子の
おへそのつながり


容易いものではないよね。


マイケルを見ていて、ふとそんな事を考える今日この頃...。




(18年前のマイケル)










  
Posted by レニア at 21:05Comments(4)