バルコニーに、落花生を
そっと...置いて
そしてじっと待つ。
そんなことをするようになったのは
珍しいお客さんがうちを訪れてくれるようになったから。
夫: 青い鳥だ!
ある日、リビングから書斎にいる私に向かってそう叫んだ夫。
実際には英語で
Sweetie, it's blue jay!
と言った。
ブルージェイ??
(今では川崎宗則選手が所属する、カナダ、トロントの野球チーム名)
ずいぶん静かだったのに、いつの間にテレビ見てたのかな?
私: Are you watching the game? (野球中継見てんのー?)
と書斎にいながら返すと
夫: NO! It is a REAL blue jay! Quick!
(違うよ、本物のブルージェイだよ! 早く!)
...本物の ブルージェイ?
...本物 ?? え、鳥ってこと??
うそっ! ブルージェイがうちのバルコニーに!?
とっさに書斎を飛び出す。 が、時既に遅し。
かの青い鳥は非常に警戒心が強いようで、
私がリビングに駆け込むと同時に バルコニーから飛び立っていった。
え〜〜〜、、、見れなかったぁ。。。ガッカリ
だけど、その後も何度となく
その鳥は 我が家のバルコニーを訪れるようになった。
上の2枚は、落花生をバルコニーに置いたあと
リビングにじっと座り込んで 待つこと20分程。
やっと撮れたもの。
よくよく見ると、この青い鳥 ブルージェイではないみたい。
だって調べてみたら、ブルージェイって、こんななんです。(ウェブサイトより拝借)
うちにやってくるのは、上半身は黒くて、鶏冠が立ってて
どちらかというと、カーディナルみたい。
でもカーディナルって、普通は真っ赤なのです。(こちらもウェブサイトより拝借)
ブルーのカーディナルって、聞いたことないのだけど...存在するのかなあ。
夫と二人してググってみたが、
カーディナルはやはり「赤」と決まっているみたい。
では、うちにやってくるこの鳥は何なのだろう。。。
本当に落花生がお好きなようで
何とも言えない、瞳をしている。
青い鳥、、、と 聞くと
幼い頃に読んだ物語を思い出す。
チルチル&ミチルの兄妹が、幸せの青い鳥を探して旅に出る物語。
子供のころは、ものすごく本を読んだ。
今のようにブルーレイやDVDどころか、VCR(ビデオ)も無いような時代だったが
活字を目で追うと、たちまち 頭の中に
鮮明なフルカラーの情景がブヮーッと広がったのをよく覚えている。
あまりに本が好きで
7歳ぐらいの頃だろうか、就寝時間(8時ごろ?)を過ぎてもどうしても本の続きが読みたくて
布団かぶって寝たフリをして、布団の中でこっそり懐中電灯で本を読んでいたら
父親に見つかって
あっという間に布団から引きずり出されたかと思いきや、ポーンと外に放り出された。
真っ暗闇の中、一時間ほど家に入れてもらえなかった。
そんな思い出がある。
厳格な父だった。
先日のブログに書かせてもらった、今では老いて、今年になってから大きな病気をした父である。
一年に一度も顔を見せることの出来ない私の帰省を
今では楽しみに待っていてくれるような父親になった。
前回の「
変わりゆく自分」で書かせていただいたが、人間って変化するのである。
父を見ていると、特に顕著にそれを感じる。
話逸れたが、そうそう「青い鳥」。
青い鳥を見つければ 幸せが手に入ると信じて
それを探す旅に出たチルチル&ミチルだったが
本当の青い鳥(幸せ)は 自分の身近なところにあったのだと。。。
そう気付いたところで物語は終わる。
幼い頃は これを「冒険物語」として読んでいたが
なんとも
「人生とは何たるや」の 真のメッセージがぎっしり詰まった
ストーリーだったことよ。
子供のころは、そんな事に
もちろん気付きもしないし、理解もできなかった。
おそらく先人達が 後世を生きる私たちに向けて残していってくれた
人生を生きるためのメッセージ(芸術作品)が 世にはたくさんあるのだと思う。
でもそのメッセージは、受け取る側に受け取る準備が出来ていないと
受信できないものなのかもしれない。
大昔に読んだ文学作品を読み返して、または
大昔に一度見た絵画を目にして、または
大昔に一度みた映画を再び見て、または
大昔に聞いた歌を聞き返して...
そして 昔とは全く違った印象を受けている自分に気付く
それはきっと「受け皿」なのかもしれない。
そして過去がどうであれ、今までどんな道のりを歩んできたのであれ
今の、今自分が居る場所が 幸せの青い鳥がいる場所だと
そう思えた時が
自分が今回生まれてきた理由を
ある意味思い出せた時なのかなあ〜とも思う。
おそらく誰もが 赤ん坊だった頃には覚えていて
一度 すっかり忘れて
そして再び思い出すまで、
40年、50年、60年という月日をかける。
だからこそ、生き続けることに意味がある。
でも、一度忘れて
敢えて苦労して思い出すことを目標に地上に下りてくるとしたら、、、
人間って
なんて面倒くさくて、
なんて健気なんだろう。
自分もその一員だなんて
何だか 嬉しい。