鹿児島に、帰る

レニア

2011年02月06日 17:44

ことにした。

明日の正午に飛びます。

ここ数日祖母のことが頭から離れず、
ダメもとでWorld Language Departmentのボス(ドイツ語の先生)に打診してみたら...

Family emergencies like that deserve priority.
Go see your grandmother as soon as you can arrange a flight!


という、まさかのお返事。
普段はちょっと強面の彼女なのだが、学期のどまん中であるにも関わらず気持ちよく休講を許可してくれた。
その返答に、驚くやらジンとくるやら。。。
感謝感激でした。

それでも長く授業を休むと、自分にも学生にもあとでしわ寄せがくる。一週間が限度だろう。
同僚の日本語の先生たちにも事情を話してみたところ、一週間のうち2コマは二人の先生が代講してくださることに。
本当にありがたい。

ドイツ人のボスにしろ、日本語の同僚先生方にしろ、
みんな祖国を遠く離れてここアメリカで教える者同士。
こうした家族の緊急時に駆けつけられないもどかしさは、もしかしたら一番わかってくれる人たちなのかもしれない。

帰宅して早速、夫にもその旨伝える。

That's great! Go home and see your grandma, Honey.
She must be anxious to see you!


ありがとう。

相方の承諾を確認してから、動き始めた。

まさかこんな展開になるとは思っていなかったので
「帰るぞ!」と決まった昨日から、あわててチケットを抑えたり、休講中の準備をしたり
バタバタと走り回っていた。
休みの間に学生にさせておくワークシート、パワポ教材なども先ほど仕上げて
「クラスサイト」(私のクラスに登録した学生たちが各自アクセスして、教材等を自分でプリントする共有ウェブサイト)にやっとアップロードし終えたところ。

日本にいてもインターネットさえあれば、このクラスサイトにはいつでもアクセスできるし
そこで学生ともメッセージのやり取りができる。
本当に便利な世の中になったものだ。



祖母は相変わらず昏睡状態だそうだ。
母は昨夜病院に泊まったそうだが、夕方一度だけ祖母がフッと目を開けたらしい。
あとは、話しかけてもほっぺをピタピタ叩いても
なんの反応もないそうだ。

祖母は今、動かない体をベッドに横たえながら心で何を思っているのだろう。
自分の体に起きていることを、自覚しているのだろうか。
それとも
十代の娘だった頃の、楽しい夢など見ているのだろうか...。

できれば後者であってほしい。

今夜、ディナーを食べながらそんな話を夫としていて
そういえば、祖母が若い母親であった頃(私の母を産んだころ)の話などは聞いたことがあるが
彼女が結婚する前、まだ若い娘さんであった時代の話は
聞いたことがなかったな...と気づいた。

70年以上も前の日本で、若かりし日の祖母は
いったいどんな事を考えていたのか、どんな未来を夢見ていたのか
また、祖母の母はどんな人であったのか...

もっと、彼女の歴史を聞いておけばよかった。

もう話もできない。


こちらを飛ぶのは日曜だが、日本(成田)に着くころにはすでに月曜の夕方になっている。
そこから羽田に移動して、何とか鹿児島行きの最終便に乗りたい。
間に合うだろうか。

ふと引き出しの奥からゴソゴソ日本円をひっぱりだしてみた。
あれれ、、、手元には現金は5万円ちょっとしかないよ。
ネットで調べてみたら、羽田ー鹿児島の片道は¥39,000とある。
万が一、私の(アメリカの)クレジットカードが使えなくても、
何とかなるかな。
何とかなるよな。だって日本だもの。
勝手知ったる、自分の国だもの。

とにかく日にちに余裕がないので、日本では一日たりともムダにしたくない。
何とか明日、鹿児島行きの最終便に乗れますように。。。
祖父にもお願いしておこう。
おばあちゃん、急いで帰るから待っていてほしい。

Wish me luck!